今回のガンプラは、ジオン屈指の名機「ズゴック」をご紹介。
HGUC最初期のラインナップなので、現行のシリーズ程ギミックが充実している訳でなく、可動も時代相応の自由度。
しかしながら、価格は現シリーズの約1/2程なので、手早く数を揃えたい時にはイチオシのアイテム。
それでは、早速レビューへと参りましょう。
パッケージ
付属品一覧
付属品はオプションパーツが無い分、かなり少な目。
30分程あれば十分完成出来ます。
MSM-07 ズゴック
「MSM-07 ズゴック」は、ジオン公国軍が開発した水陸両用MSで、開発は後に「MA-05 ビグロ」等のMAの開発を手掛けたMIP社が担当し、同社が手掛けた唯一のMSである。
設計に関しては、ツィマッド社が開発した「MSM-03 ゴッグ」の実戦データを基に改良を重ねているが、その結果開発が遅れてしまい、「MSM-04 アッガイ」が先にロールアウトする形となった。
ジオン軍の水陸両用MSの中でも、特に高い陸戦能力を保持しており、空冷式と水冷式のラジエーターを併用していることに加え、熱核水流ジェットのほかにジャンプ用の化学燃料ロケットを搭載し、優れた運動性に加えて高い水中航行能力を両立しているだけでなく、ゴッグでは対処出来なかった対空戦闘能力まで獲得。
ジェネレーター出力の面でも、同時期開発されていたMSの二倍近い高出力を誇り、単機当たりのスペックを大幅に引き上げていたことから、同時期に連邦軍が運用していたMSの戦闘能力を大きく凌駕していた。
重量はゴッグから20t近く軽量化され、冷却方式を水冷式と空冷式のハイブリッド式にしたことで余分な冷却水を積載する必要がなくなり、運動性や機動性の向上に一役買った他、装甲の耐弾性はガンタンクの砲撃にも耐えうる程に堅牢である。
装備は頭頂部の「240mm ロケット弾」に加え、メガ粒子砲が腕部へ装備されたことで、射角が自由に変更可能となり、攻撃力の大幅な強化に成功している。
「アイアン・ネイル」は近接格闘用兵装として搭載され、「RGM-79 ジム」程度の装甲なら貫通する破壊力を備えるが、操縦技量の高い者が扱えばマニピュレータとしても扱える器用さも併せ持つ。
総合的な完成度ではジオン軍の水陸両用MSの中で最も高く、シャア・アズナブル大佐専用機には独自のチューンナップが施されているMSM-07S型も調達され、その後多くの機体が反応炉の出力向上と運動性の改良、装甲の材質変更を行ったMSM-07Sに生産が切り替えられている。
ということで、ズゴックです。
キットは「HGUC ゴッグ」と共に最初期にリリースされたもので、ズゴックならではのフォルムを忠実に再現。
水の抵抗を受け流す流線形の胴体が特徴的で、ゴッグやアッガイと比較して手足が長いスマートな体躯に変化。
シンプルなデザインの分、色分けと組立工程の簡略化を両立しており、近年のHGと比べても製作時間の大幅な短縮にも繋がっています。
「HGUC アッガイ」等と比べ、可動やギミック面では流石に見劣りする部分もありますが、価格を考えれば妥当な所と言えます。
頭部
頭部は胴体と一体化した独特のフォルム。
口のように見えるコックピットハッチは、シールか塗装で色分けを再現。
ダクト等も精密に造形化。
モノアイはシールで再現。
一応貼り付け位置で視線を変更可能ですが、頻繁に視線を変えたいのなら改造は必須。
頭頂部の「240mm ロケット弾」は別パーツで色分け済み。
頭部(胴体?)の分割は至ってシンプルで、 前後に2パーツで構成。
当然合わせ目は存在しますが、後ハメ加工はせずとも、パーツ個々に塗装は可能。
肩部
肩はショルダーアーマーの無いシンプルなデザイン。
関節はボールジョイント接続で、腕を水平まで上げることも可能。
肩周りは特に動きを妨げるものが無いため、自由度はかなり優秀。
腕部
腕はフレキシブル・ベロウズ・リムという蛇腹関節で、「HGUC ゴッグ」や「HGUC アッガイ」にも使用されているタイプ。
肘関節は90°程度可動し、上腕には関節が二カ所内蔵されているので、見かけ以上に可動域は広め。
腕はシンプルなデザインで、パーツ構成も簡便化されています。
合わせ目はありますが、接着しても問題は無し。
クローは全て独立可動。
爪先のエッジのだるい造形ですが、削り込んでシャープ化しても良いでしょう。
中央部にはメガ粒子砲が精密に再現。
胴体
一応胴体ですが、イマイチ頭なのか体なのかハッキリしない部位。
プロポーションは破綻無く纏まっており、各部ディテール等もリアルに3D化されています。
胴体はボールジョイント接続で、フレキシブルに可動。
反る、屈むといった動作は難なく可能。
また、左右に体を傾けることも出来、かなり柔軟な可動を実現。
左右にはあまり旋回しないものの、ポージングの幅は広いので概ね満足。
バックパック。
バックパックはロケット型の形状を忠実に再現。
ノズル部分の精密さはそれなりといったところで、ディテールアップを意識して行っていきたい部分。
股下にもノズルを再現していますが、アクションベースには対応していません。
下半身
ドッシリとした脚部が特徴的な下半身は、力強いフォルムを再現。
股関節はボールジョイント接続ながら、自由度が非常に高いのが強み。
反面、デザイン上前後にはあまり可動しません。
膝は90°程度可動。
大腿部は上腕同様に二カ所で可動し、より柔軟に可動。
足首関節ボールジョイント接続ながら、接地性は中々良好。
前後にも大きく可動し、接地面積が広いので安定性も優秀。
足裏のディテールは緻密に表現。
ゴッグでは存在した肉抜き穴は皆無で、総合的な完成度ではプラキットでもズゴックの方が格上。
他機との比較
ゴッグ、アッガイと揃い踏み。
こうして並ぶと、各々で個性的な水陸両用機群。
後発になるに従い、次第に人型から離れていくのが面白い印象。
「HGUC ズゴック」と比較
後継機である「ズゴックE」と揃い踏み。
原型機よりも全体にスタイリッシュな印象。
『MG ズゴック』と比較
基本的な造形やプロポーションは殆ど変化しておらず、各部ディテールの情報量、モールドの増加のみに留まっている印象。
それだけ、HGUC版の完成度の高さの現れとも言えます。
オプション
キットにはオプションパーツが付属しないので、製品の単価の安さの一因の一つ。
アクション
ということで、「HGUC ズゴック」でした。
プラキットとしての完成度は高く、20年前の製品とは言え現行でも充分通用する出来。
流石に可動範囲やギミックでは物足りない部分はあるものの、それと引き換えに得た単価の圧倒的安さが他を寄せ付けないのが魅力。
また、店舗ではあまり見かけない量産型は、シャア専用ズゴック以上に貴重な存在なので、見かけたらとりあえず手に取って見ても良いでしょう。
筆者はRGよりも断然扱いやすいHGの方が好みで、構造が簡素な分改造もしやすいのが大きな長所で、RGのパーツの取れやすさや、オリジナルディテールが受け付けないユーザーにはHGUC版を推奨します。
組み立ても簡単な分、時間の余裕の無い方にもオススメ。
おまけに安さ故に、まとめ買いにも融通が効くのが最大のメリット。
RG版は腕が異様に大型化しているため、全体のプロポーションバランスにやや難があり、HGUC版の方がアニメーションの雰囲気を取り込みつつも、より魅力的なプロポーションにアレンジされているので、ここは好みが分かれるところ。
それではみなさん。
楽しいホビーライフを。
ガンプラ HGUC 1/144 MSM-07 ズゴック (機動戦士ガンダム)
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