今回のガンプラは、初代ジムこと「RGM-79 GM」をご紹介。
HGUCとしては初期に製品化されたもので、実はガンダムより先に立体化されたもの。
流石にアクション性や合わせ目処理に関しては、現在のシリーズには大きく溝を開けられているものの、キット自体の出来は良好。
それでは早速レビューへと参りましょう。
パッケージ
付属品一覧
パーツ数は初期HGUCらしく少な目。
完成まで30分程度で十分完成します。
RGM-79 GM
「RGM-79 GM」は、地球連邦軍が「RX-78 ガンダム」のデータを基にして開発した初の量産型MSである。
機体名称であるGMは「Gundam type Mass-production model」の略称である。
『RX-78』の簡易量産機として設計されているものの、設計母体となったガンダムが優秀だったこともあり、その基本性能や汎用性は極めて良好である。
生産性を重視した設計であり、それらを考慮して装甲材をチタン合金に変更し、コア・ブロックシステム等の余剰機能は廃止される等、随所においてなコストダウンによる簡略化が図られている。
総合性能ではガンダムには及ばないまでも、機体の軽量化によって高い機動力とレスポンスを手に入れ、スラスター推力の面においてはガンダムを上回る性能を獲得。
しかしながら、量産性を重視した設計に加え、当時は連邦軍が大量配備を急いだこともあって、ジャブローで生産された初期生産型は多くの欠陥を残し、当初予定されていたスペックを満たしていなかった他、機能不全等の数々の問題が多発していた。
そのため、実戦投入された当初は予定されていたポテンシャルを発揮出来ず、同時期に支援用として急造された『RB-79 ボール』と連携しての戦闘を余儀なくされた。
後に量産体制が整ったのに伴い、各部改修・改良が本格的に行われ、それらの機能不全や欠陥を克服し、本来の性能を完全に発揮出来るようになっていった。
操縦性の面では、当時の連邦軍側にはMSの操縦経験者がほぼ皆無ということもあり、それらの未経験者でも容易に扱える高い操縦性と汎用性を両立し、パイロットの技量によってはガンダムと同等のスペックを引き出すことも十分可能であった。
装備においても「ビーム・スプレーガン」や「ビーム・サーベル」といった、ビーム兵器の標準装備により、当時のジオン公国軍の主力MSであった「MS-06 ザクⅡ」を凌駕し、「MS-09R リック・ドム」とも互角以上に戦える戦闘能力を誇る他、ガンダムの装備等も扱うことも可能であった。
また、本機の支援用ユニットとして開発された「RB-79 ボール」からの支援砲撃を受けることで、目覚ましい戦果を挙げることも度々あった。
本機は終戦までの短期間に、約3,800機にも及ぶ同型機が大量に量産され、その後も近代化改修による延命措置やマイナーチェンジを施され、同時に数々のバリエーション機、後継機を誕生させる等、名実共に地球連邦軍の主力基幹機種として広く名を知られるようになる。
ということで、「初代ジム」です。
正式な表記は「ジム」ではなく「GM」ですが、当ブログでは「ジム」で統一します。
ガンダムのパチモン呼ばわりされることが多いジムですが、大半のゲーム等では装甲や火力以外は、ガンダムとほぼ同じ性能だったするので、ザクどころかゲルググとも戦える等、改めて優秀なMSであることを実感出来ることでしょう。
カトキ兄貴がコンセプトデザインを手掛けたもので、オリジナルの雰囲気を残しつつも、同氏らしい現代的な姿でリファイン。
発売から既に18年も経過したキットですが、プロポーションや各部ディテールに関しては思いのほか優秀。
多色成型による色分け、クリヤーパーツの採用といった現行フォーマットの礎となった部分が多く見受けられ、HGUCとしては比較的スタンダードな仕様。
但し、関節の強度や可動域は大きく見劣りし、現在のアイテムラインと同等のススペックに近づけるには、大きな改修や改造が必要。
頭部
ガンダムと比較して、シンプルなデザインと化した頭部。
特徴的なバイザーは、額のセンサー共々クリヤーパーツ化。
バイザーの裏側には内部メカを精密に再現され、バルカン砲もシャープに造形。
首はボールジョイント接続で、可動範囲はかなり狭いのが欠点。
左右に首を振る程度が限界。
上下には全く動かないのは致命的。
肩部
ショルダーアーマーは、ガンダム同様に直線的なラインで立体化。
腕を水平まで上げることは可能。
関節軸は非可動なので、引き出し関節のような高い自由度は期待出来ず。
腕部
腕は「HGUC ガンダム(旧版)」と同じ構成。
肘の可動範囲は90°程。
関節の可動域は若干難があり、不満な場合は関節移植等の処置も必要。
胴体
腕同様、胴体は一部を除けばガンダムと同じで、合わせ目の無い構成。
バックアップは簡素なデザインで、ビーム・サーベルを一本装備。
加えて、背部ジョイントを介してシールドを懸架可能。
色分けもコックピットハッチのブラック以外は、すべてパーツの分割で再現。
ビーム・サーベルは取り外し可能。
肘の可動範囲が狭いため、手が届かないのは残念。
背部のビーム・サーベルは飾りで、ビーム刃等は取り付け不可能。
腰は軸関節で、左右への旋回は問題無し。
また、腰部は引き出すことで左右に上体を振ることも可能。
関節のポリキャップが露出せず、塗装にも対処可能な構造。
スカートアーマー、サイドアーマーは可動式ながら、スカートアーマーの可動範囲が狭い影響で、脚部の自由度は低め。
下半身
脚部に関しては、ガンダムと類似する部分もありながらも、ほぼ別物。
関節構造も、後発のガンダムと比べ、足首関節等が一体成型。
フロントアーマーは単体成型で、ガンダムよりも可動域が狭く、脚部の自由度を下げている原因の一つ。
股関節はボールジョイント接続。
現在では主流の軸関節と比較すると、自由度は大きく劣ります。
膝は90°可動。
「HGUC ヘイズル」等の膝関節を移植すれば、二重関節化は十分可能。
足首関節はボールジョイントで、接地性に関しては今一つ。
前後にはそれなりに可動。
足首のシリンダー部分は一体成型。
後の「HGUC ガンダム」は多重関節に改良されています。
比較
後発製品である「HGUC ガンダム」と比較
各部形状の一部変更だけでなく、関節部の新造も図られたガンダム。
しかしながら、造形に関してはどちらも甲乙付け難い完成度。
連邦軍主力機
ガンダムファンなら、最低限でもこの5体は揃えたいところ。
オプション
装備は「ビームスプレーガン」、「ビーム・サーベル」、「シールド」とベーシックなものが一通り付属。
ビーム・スプレーガン
その名の如く、スプレーガンを模した形状の銃器。
合わせ目は出るものの、造形に関しては優秀。
ハンドパーツ
左手には平手パーツが付属し、当時としては珍しいハイディテール仕様
シールド
成型色以外はガンダムと全く同じもの。
シールドは連邦軍の十字章が別パーツ。
裏側はマウントラッチを兼ね、精密なモールドでディテールを再現。
シールドは腕に装備可能。
ジョイントはボールジョイントで、ある程度はフレキシブルに可動。
ビーム・サーベル
ビーム・サーベルは初期シリーズらしく単色成型。
ちなみに、ピンバイス1.5mmで穴を空ければ、ビーム刃を取り付け可能。
ビーム・サーベルのクリヤーパーツ化は比較的簡単な改造なので、ビギナーにも是非とも試して欲しいテクニック。
フル装備状態
付属する武装はスタンダードなものばかりで、他キットからの流用等も可能。
同スケールの「RG ザクⅡ」と揃い踏み。
こうして並び立つと、連邦とジオンの両者の設計思想の相違点がよく分かる光景。
「HGUC ボール」と小隊編成。
安ければ、2,000円程度でまとめ買い出来ます。
アクション
ということで、「HGUC ジム」でした。
キットそのものは癖のない素直な出来で、プロポーションやディテールも現代的ながらも、アニメーションの雰囲気も兼ねた無難な印象。
シールもコックピットハッチくらいにしか使わない等、素組み状態でも色分けは秀逸で、塗装のしやすい構成になっているのも強み。
可動に関しては、年数が経過したキットということもあり、自由度に関してはかなり厳しく、そのままでは大胆なアクションが不可能なため、関節を現行のシリーズから移植する等、モデラーにとっては腕の見せ所。
また、合わせ目も四肢に集中しており、改修も若干手が掛かるのが欠点。
総合的な評価で言えば、値段相応かそれ以上とった趣で、コストパフォーマンスに関してはキットでも優秀。
価格も700円台と格安で、値引きされれば500円を切ることもあるため、多々買いを強いられているユーザーにこそ一押しな製品で、小隊編成したいなら、尚更まとめ買い推奨。
ただ、コストパフォーマンスは高いと言っても、このキットを買って心躍る程の高揚感が味わえるかと聞かれれば難しいところで、余程のジムマニアでもなければ数合わせ程度にしか購入しません。
斬新なギミックや、革新的な技術が採用されている訳ではありませんが、ガンプラとしては堅実な製品仕様で、初心者から上級者まで扱いやすいキットと言えます。
特にリアルタイム世代等、ガンダムに思い入れの強い、筋金入りのベテランユーザーにはオススメしたい逸品。
今後も塗装を見越した改修を予定。
それではみなさん
楽しいホビーライフを。
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