バンダイ MG サザビー レビュー


 

モデラー兄貴オッスオッス!

 

今回のガンプラはMGシリーズから、後に数々の名キットを生み出した『MG サザビー』をご紹介。

 

それでは早速レビューへと参りましょう。

 




 


パッケージ


 


付属品一覧


旧MGとは言え、当初は稀有なの7,000円台ガンプラということもあり、付属品はかなり多め。

 

ランナー数は計28枚となっており、当時としてはMG最多。

 

組み立て時間もかなり長時間になりやすく、連続7~8時間程掛かる見通し。

 

 


MSN-04 サザビー


ということで、『サザビー』です。

 

こちらはVer.Kaではなく、2001年に発売されたMGでは最初期ラインナップの製品。

 

とは言え、こちらもカトキハジメリファインなので、明確に区別する必要性は疑問に思うところで実質的にカトキ兄貴仕様なのは変わらず。

 

後発のVer.Kaに比べてギミック面や可動等は劣るものの、比較的原作準拠のディテールは他のMGと並び立たせてもあまり違和感ないのが魅力と言えば魅力。

 

流石に時代相応の古さは隠し切れない部分はあるものの、ある程度の改修で十分通用する完成度は有しています。

 

今回は今後の塗装イメージをより具体的に把握しようと思い、スミ入れを施していますが・・・個人的にはこれでも十分ディテールはもう十分だ、もう十分だろ。

 

色分けはこの時点でも割と健闘しており、一部スラスター・バーニア等のイエローは塗装しています。

 

プロポーションも重量感あるフォルムで立体化されており、体はいいよな・・・顔は駄目そうだけど(旧キットへの当てつけ)

 

というより、取扱説明書のサザビーが痩せこけたようなコンセプトデザイン画稿で最早別物にしか見えないんだよなぁ・・・

 

 


頭部


 

特徴的フォルムで立体化されたヘッド部分。

 

ブレードアンテナ等もシャープに再現。

 

前頭部は上方向に可動し、内部には球体型コックピットと内部メカニックも再現。

 

モノアイは可動式で、左右に視線変更可能。

 

レンズはクリヤーパーツが採用されていますが、今回もH・アイズに換装・・・というよりデフォルトがあまりにも使い勝手が悪い。

 

首関節は単純なボールジョイント可動で、自由度はそこまで高くありません。

 

左右には問題なく動きますが、問題は上下。

 

HGUCより先発ということもあり、顔を上げるようなギミックはまだ実用化されておらず、肥大化した後頭部に干渉して不可能。

 

この欠点は後に『MG ケンプファー』、『MG キュベレイ』を経て解消されていますが、痛いですねこれは痛い・・・

 

 


肩部


大型化した肩部は複雑な面構成でも巧みに3D化。

 

スラスターは独立可動。

 

スラスターユニットの可動で肩回りの可動範囲は特に問題なし。

 

前方向へもある程度可動。

 

しかしながら、肩関節は多重関節構造ではなくボールジョイントのみなのでフレキシブルな動きは不可能。

外れやすい上に保持力の観点からもよろしくなく、唯一の利点は関節の破損の恐れが少ない程度。

 

ショルダーアーマーは合わせ目があり、そのままでは見栄えが悪いので処理必至。

 

内部はそれなりにディテールが配されているものの、目立つ部分はまっ平だったりと大味な部分も。

 

 


腕部


 

肘関節は2重関節により180°には及ばないものの、太い形状の腕にしては良く曲がります。

 

また、肘の可動に連動してシリンダー部も伸縮。

 

ハンドパーツはドムに付属するものを成形色だけ変更したものが同梱。

 

フル可動指関節により、表情豊かな表現が可能。

 

武器類は掌の溝に挿入して保持。

 

手首にはビーム・サーベルを内蔵しており、設定通り収納・取り外し可能。

設定に忠実なギミックは申し分ないのですが、問題はまともにサーベルが持てないこと。

 

このように、サーベル・グリップには保持用ピンが存在せず、握ることも出来ず改善点しかありません。

 

 


胴体


重厚感溢れる胴体は、複雑な形状の組み合わせでも劇中のイメージそのままで立体化。

 

腰部関節はボールジョイント可動で、左右にはあまり捻り回転出来ません。

 

バックパックは着脱可能。

 

プロペラントタンクはボールジョイント可動・イジェクト出来る仕様。

 

ファンネルコンテナは開閉可能で、内部にファンネルを3基ずつ収納出来ます。

 

 

付属のファンネルは砲身の伸縮、フィンの可動等、当時の最先端技術を駆使したフル可動仕様。

ただ、ファンネル単体だと使い道がイマイチなので、エフェクトパーツやアクリル棒等で射出シーンを個々に再現する必要があります。

リアアーマーは取り外し可能。

 

厚み・ディテール共に良好で、重MSらしいフォルムで造形。

 

 


下半身


裾が広がったジオン系特有脚部は、複雑な形状・凹凸ながらも精密に造形化されており、合わせ目も出さない辺り流石MG。

 

スカートアーマーは、全て裏打ち処理されており、厚み・ディテール共に良好。

 

股関節はボールジョイント可動。

 

とは言え、デフォルトではあまりにも可動域が狭く、少し改造して可動域を広げています。

右足は改造前、左足が改造後となりますが、このキット多少なりとも改造しないとかなり物足りません、これはキツイですよ・・・

 

膝関節は2重関節により広範な可動を実現。

 

次に、本キット最大の欠陥部分である足首関節。

特に足首のダンパーの可動ギミックを優先した所為で、足首を動かす度にアンクルアーマーに干渉して外れる不具合が発生。

 

おかげでパーツが割れてんだよなぁお前の所為でよぉ、なぁ!

 

バンダイにしては珍しく設計段階で気が付かない致命的なミスですね、クォレハ・・・

なので、足首関節パーツは今回は外してあります。

 

これで足首回りのクリアランスが確保され、接地性も劇的に改善されるものの、内部もガバガバどころかスカスカ状態なので、見栄えは良くありません。

 

 

 

 

 

なので、後の改修で パーツを上手く活用しつつもフレームをある程度新造しようと計画中。

 

足裏のモールドも精密に再現。

 

爪先と踵部分は独立可動し、爪のように動くギミックを内蔵。

 




 


内部フレーム


内部メカは胴体、肩、脚部とバックパック一部にのみ再現。

 

 

胴体はかなり分解しないと見えない部分まで造形化されており、正直ここまで作る余力があるなら、他に見直す部分があると思うんですけど(名推理)

 

問題のダンパーの可動ギミックですが、内部メカ露出時のみ取り付けて、通常時は取り外してしまっても問題ありません。

 

一応、左足がダンパー内蔵、右足が無しとなっていますが、そんなに違いはありません。

 

 


比較


HGUC版と比較。

 

同じ機体にも関わらず、各部の造形やディテールはかなり異なり、特にプロポーションバランスは微妙に変化。

 

HGUC版は旧MG版のダウンサイジングにはならず、より現代的な小顔化や脚部の延長が図られています。

 

それだけ、今回のキットが重要な存在であることがよく分かります。

 

 


オプション


Ver.Kaでは付属するロング・ライフルを除き、劇中で使う装備はほぼ全て付属。

 

ビーム・ショット・ライフル

 

今回の欠陥部分その

 

形状やディテールは特に問題なしながら・・・これマジ?

 

『ガタイに反して銃のサイズが貧弱過ぎるだろ』と思わせる程小ぶり。

 

原作の作画でもサイズが安定しないので、あまり違和感がないとは言え、これは

 

後で一部切断して銃を延長して大きく見せるしかないので、腕に覚えのあるモデラー兄貴以外は流用して、どうぞ。

 

一応、パイプ部分は別パーツ化。

 

フォアエンドはスライドギミックを内蔵。

シールド

 

大型のシールドは一体成型パーツの組み合わせで再現。

 

形状は特に不満点はないですが、本体に反してディテールが少ない、少なくない?

 

 

 

シールド裏にはミサイルとビーム・トマホークを収納可能。

 

ミサイルは着脱可能。

 

ビーム刃は斧・サーベルの二種類が付属。

 

不満点はビーム刃がやや単調な造形で、改修時はこの部分のみ他から流用しようかと画策中。

 

今更ながら、原作のビームの色って、緑というより黄色(若干緑がかってる)だった気がするんですが、それは・・・

 

同スケールのシャアは立ち・コックピット搭乗時の2種が付属。

 




 


アクション


ということで、『MG サザビー』でした。

 

総括すると駄作、磨けば光る宝石とも言える微妙な仕様。

 

発売から22年という歳月が経過しているだけに、構造的古さは否めないものの、そのノウハウはHGやRGにも反映されている等、新生サザビーのフラグシップモデルとして歴史的な一作と言えます。

 

Ver.Kaと比べるとギミックやディテールは抑えられているものの、構造が簡略化されている分破損しやすいプラモデルデメリットをカバーしていると言え、繊細すぎる現行モデルよりもある程度は頑強な作りはある意味強み。

 

関節の可動範囲は時代相応なものの、関節の改修でカバー出来るので多少スキルのあるユーザー向け。

 

というのも、明らかに設計ミスや欠陥が多すぎる上、修繕に要する時間は膨大なものがあるので、ライトユーザーにはあまりオススメしません。

 

カスタマーレビュー見れば、それは一目瞭然なのであえてここで深堀はしませんが。

 

定価も7,400円と現在の視点で見ても結構高額な部類で、内容が内容だけにあまりプレミアも付いていない程。

 

はーつっかえ・・・

 

それでもRE ナイチンゲールと並べる時はVer.Kaよりもこっちの方が違和感なく並べられるので、好きな方をチョイスして、どうぞ。

 

ならなんで、こんな欠陥品をチョイスしたんですかねぇ・・・と思われるユーザーニキもいるでしょうが、この旧MG版は筆者が中学生時代に初めて買ったMGということで、何かと思い入れがあるというのも理由の一つです。

 

というより、ギラ・ドーガとか並べるなら尚更、旧ver.じゃなきゃ・・・あぁ~ダメダメダメ!

 

統一感壊れちゃう!

 

それでは皆さん。

 

楽しいホビーライフを。

 

 

 

お売りください。駿河屋です。

 

 

 


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