今回のガンプラはMGシリーズから、隠れた傑作キットとして名高い『MG ザクⅡF2型』をご紹介。
それでは早速レビューへと参りましょう。
パッケージ
付属品一覧
パーツ数は一般的なMGとしては普通。
マルチカラーインジェクションにより、素組みでも色分けは優秀。
その他、関節保持力の調整用にビスも付属。
ガンダムデカール
デカールは転写式デカールとテトロンシールが付属。
MS-06F-2 ザクIIF2型
ということで、『ザクⅡ F2』です。
このキットの発売は2002年と既に20年以上?30年以下?にリリースされており、MGとしては初期ラインナップに位置する年代物。
同じザクⅡとは言え、基幹キットである『MG ザクⅡ Ver1.0』とは完全に別物であり、ほぼ全てのパーツが新規造形で再現。
プロポーションバランスは申し分なく、造形やディテール、各種ギミックや武装の充実さ等F2のプラキットとしては最高峰の完成度を誇ると言っても過言ではない出来。
とは言え、あくまでF2立体物の範疇に限った話であり、後発のザクⅡ Ver2.0等と比べれば見劣りする部分も多々あり、決して手放しで喜べる代物ではない仕様。
それでも、定価は3000円台という破格のコストパフォーマンスを考えると十二分に高い評価を与えても良いのではと。
それでは細部を詳しく見て行きます。
頭部
特にこれといって、他と大差ない形状のヘッド。
一応、動力パイプがザクグリーンからグレーに変更されているくらい。
モノアイはクリヤーパーツ採用で、手動で左右に可動。
今回もH・アイズに換装。
首関節はボールジョイント可動で、可動域は必要最小限のレベル。
ディテール等の造形はこれと言って不満点はないものの、可動範囲はかなり制限されます。
上下左右にはあまり動かないので、視線変更をより強調したい場合はモノアイの可動ギミックを活かしていきたい所。
肩部
基本的な構成は旧MG版から然程変わらず、形状やディテールのみ変更点が加えられた程度。
そのため、スパイクアーマーは当然合わせ目が現れ、塗装時は処理が必要な上に突起のある複雑な形状なので丁寧に処理する必要あり。
もし合わせ目処理が面倒に感じたら、既存の2.0から流用するのも手。
肩関節は今でこそスタンダードになったものの、当時としては最先端の引き出し式を採用。
これにより、よりダイナミックなポージングを可能にした画期的アイディア。
しかしながら、可動域は上方向のみに限定されており、前後には一切動かない仕様。
また、裏側はビスが丸見えで見栄えをかなり損なうので、必要ないならビスは要りません。
ビス止めしなくても関節の保持力は大して変わらず、逆に締め付けが強すぎると破損に繋がります。
この肩関節の引き出し機構により、肩の自由度は高く可動範囲はザクにしては広め。
シールド裏は精密なディテールを再現。
腕部
前腕部は先代ザクⅡとは異なる形状。
肘関節はHGに準じたような構成でかなり簡易的な構造。
可動範囲は90°程度と、MGにしてはあまり曲がらないのが特徴。
ハンドパーツは親指、人差し指、薬指~小指が一体型の3パーツ構成。
武器の保持は問題ない反面、造形はイマイチなのでHDMやビルダーズパーツ、他キットから流用したい部分。
胴体
ぱっと見あまり変わらないように見えて、原型機からかなりマイナーチェンジが施された胴体。
特に胸部は並べた際にかなり形状の際が顕著に現れる部位。
バックパックはノズル部分が独立可動。
腰部関節は存在せず、Ver2.0と異なり胴体の自由度はかなり制限されている状態。
コックピットハッチは開閉可能。
下半身
脚部は設定画稿に近い若干どっしりとした重量感のあるデザイン。
一応はF型ということで、ふくらはぎ等にバーニアが複数増設されたタイプ。
股関節はボールジョイント可動。
発売時期の関係で年代が年代とは言え、現代の視点で見ると可動範囲は十分とは言えないのが現状。
可動域の狭さは改造等で補う必要性を迫られるので、必然的にモデラーの腕が問われる部分が多いのが困りもの。
膝関節は2重関節によりフレキシブルに可動。
ただ、脚部の動力パイプが軟質素材であっても動きがぎこちない印象。
よりスムーズな動きを再現するなら、2.0同様にスプリング内蔵に改修する必要があります。
シリンダー部は膝関節の動きに連動して可動。
膝アーマーは独立可動し、可動時の不自然なフォルムにならない配慮がなされている部位。
足首関節は多重関節構造を採用。
足の甲の装甲は独立可動。
可動に関しては割と自由度は高い反面、裾に干渉するので差引0でその恩恵をあまり受けられていないのが現状。
足裏のモールドは精密かつリアルに再現。
内部メカ
2000年代初頭らしく内部メカは所々限定的に再現され、主に胴体、バックパック、脚部のみ造形化。
全身にフレームが造形化されているのは作りごたえあって悪くはないのですが、塗装する際は作業量が激増するので苦行と化すのはNG
それで腕以外は再現されているので、完成度はまずまずの出来栄え。
内部メカの再現性もさることながら、個人的に驚くのは装甲裏。
また、脛~足首を覆う装甲は一体成型パーツを採用しており、これは後の2.0でも採用された技術。
装甲裏のモールド・ディテールもいいゾ~コレ。
比較
『MG ザクⅡ Ver2.0』と比較
同一機体とは言え、F2は改修された後期生産型という設定のため、胸部を始め各部の形状が微妙に異なっているのが特徴。
ガンプラというフィールドにおいてはスペックが完全に逆転しており、常にアップデートを繰り返す初代には勝てず、設定とは矛盾が生じてしまっている状態って、それ一番言われてるから。
ちなみに、傑作キットとなったVer2.0は初版が2007年と、このF2発売から僅か5年で恐竜的進化を遂げることになっている。
無論、この飛躍的な進化をF2が影で支えている事実は変わらず、本キットの存在無しに2.0誕生は無いとまで言わしめただけに一種のターニングポイントとも言えるのが本キット。
オプション
オプションは『MG ドム』を始め他のキットから流用されたものが多くを占め、あまり新鮮さは感じられない印象。
それより、ザクマシンガンやヒート・ホークなど、ザクにとってトレードマークとも呼べる武器をオミットしては元も子もないのですがそれは・・・
別売の連邦軍仕様を買えと言うのか・・・(呆れ)
MMP-80
ドムに付属しているものと同じもの。
パーツ構成が単純な弊害で、合わせ目処理必至。
マガジンは取り外し可能。
ウェポンラック
マシンガンには専用のウェポンラックが付属し、腰部に懸架可能。
マガジン
携帯用予備マガジンは3つ束ねたものも付属。
こちらは一体成型パーツで造形化。
こちらは肉抜き穴が裏側に存在するため、ヘビーユーザーは穴を塞ぐ等の対策を講じる必要あり。
ザクバズーカ
こちらも特にこれといって旧来のものと変更点はなし。
ターゲットスコープはクリヤーパーツ採用。
造形やディテールは優秀ながら、上位互換でもある2.0の方が合わせ目処理の必要性がなく、パーツ構成も簡略化されているため流用しても問題ありません。
ハンドグレネード
手榴弾は一体成型パーツで再現。
ラックから分離出来ないため、クラッカーのように手に持たせて投擲させるようなポージングは不可。
シュツルムファウスト
シュツルムファウストは形態・発射状態をコンパチ仕様で選べ、マウントラッチを介して腰部に携行可能。
ミサイルポッド
フットミサイルは脚部に装備可能。
ミサイルは着脱可能で、一体成型の2.0とは異なり全ての弾頭が分離状態で成型されているのが特徴。
ブレードアンテナヘッド
隊長機用頭部アンテナを再現したコンパチ仕様頭部。
ハンドパーツ
造形が優秀な平手は柔らかいアサフレックス製で、弾力がある素材なのでパーティングラインを消すのがやや難しいのが欠点。
バックパック
バックパックは補助ロケットブースターの有無を差し替え式で再現。
このブースターは地味に腰にマウントする火器に干渉するため、武器の取り外しの際は邪魔に感じる時も。
フル装備状態
このF2はスカートに大量のマウントラッチやハードポイントを備えているため、従来のザクとは比較にならない程、大量の火器を装備可能。
腰回りは専用ラックを介して複数の武器を搭載出来る上、規格が合えば装備は他キットからの流用も出来るので、プレイバリューは秀逸。
フットミサイルはカバー部分は張りぼて同然で、ポッドは脚部のハードポイントのポリキャップを介して接続可能。
アクション
ということで、『MG ザクIIF2型』でした。
既にあちこちで口コミが溢れかえっているので、今更長々と語ることもないのですが、控えめに言っても旧世代ガンプラながら良く出来ている部類です。
あくまでザクⅡのバリエーションなので、細部のマイナーチェンジだけに留まっているだけの見栄えもイマイチな外観とは言え、それでも既存のザクからの流用パーツはほぼ0の状態。
デザイナーが違うので、当然と言えば当然ですが・・・
また、旧MGと2.0との中間点に位置しており、作り比べるとザクの発展途上の過程を実感出来、そういった意味では影の功労者と言った重要な存在。
今のところ、F2のガンプラの中では最もギミックやアクション性に富んでおり、安価なのも相まってガンプラ本来の魅力を再発見した印象。
参考までに、出来の良い本体に加えてこれだけ豊富な付属品が同梱されていながら、定価も僅か3,300円(税込価格)となっており、いくら何でも20年前のMGとは言え安すぎる・・・
ABSの使用や武器の合わせ目が目立つ等、設計の古さ等は否めないものの、この時期のバンダイの価格設定おかしい、おかしくない?
成形色をクリーム色に変えた連邦軍仕様の他、PB限定でもビッター少将機他、キンバライド隊仕様等のカラーバリエーションが頻繁に発売されており、相場価格も通常よりやや高い程度なので、そこまで希少という程でもない印象。
特に初登場がミリタリー色の強い『0083』ということもあり、ほんへの作画力の高さと相まって一部マニアには熱烈な支持を受けているだけに、ジオニストには大手を振ってオススメ出来ると自負しております。
強いて不満点を挙げるなら、そろそろリック・ドムⅡのMG化して欲しいようなもの・・・製品化あくしろよ。
それでは皆さん。
楽しいホビーライフを。
ここで近況報告をば。
現在筆者のアトリエを兼ねた旧オフィスは老朽化(買い取った時点で既に築20年以上のプレハブ)のため買取処分の上解体。
新たにオフィスを建設中ですが、こちらはゲーミングPC、3Dプリンター、塗装設備、撮影スペースを兼ねたもので、今まで以上に高度な作業要求に対応可能なものに生まれ変わりました。
電力は主に、AI搭載の家庭用スマート蓄電池(5.12kwh)を主電源に、太陽光パネルと風力タービンを併用したもので、必要に応じて電力会社から供給する場合もありますが、電力に限ればほぼ完全独立したユニットハウスとして機能。
今回導入した蓄電池とソーラーパネルのイメージ
もし今年から来年にかけて、新型ペロブスカイト太陽電池が実用化・販売されれば交換も視野に入れてパネルも取り外し可能に設計にしています。
自分で言うのもなんですが、チョーS(DGs)だよな!
とは言え、最新ユニットハウスに加えて自家発電設備を併設するだけでもシャレにならない設備投資が掛かったものの、今年の能登半島地震や今後の災害対策の一環として購入したことについては後悔はしていません・・・というよりかは自家発電は長年の夢でしたので。
そのため、去年・前々年度は満足にブログ更新も出来ませんでしたが、これは主に銀行融資のための打ち合わせや返済プラン、新オフィスの建設計画のために時間を吸われてしまったのが理由です、モシャモシャセン!
なので、現在はひと段落したので息抜きにケンプファーの改修・塗装中の真っ最中。
滞っていた更新も改修作業で嵩増しで対処します。
レビュアーが本業に思い込んでおりましたが、筆者はあくまでそれを改造して魅せるモデラーの本分を忘れており、今後も作品作りに邁進して行きますよーイクイク!
それと、動画製作は楽しいのですが、編集に時間をかけ過ぎて途中で飽きては元も子もないので色々と調整しています。
『ゲーミングPCは完全に遊ぶ目的だろ、いい加減にしろ!』という兄貴たちの指摘も飛びそうながら、半分当たり半分は事業目的だし多少はね?
艦船模型作った際はWorld of WarshipsやModern Warships等のプレイ動画(淫夢)と連動した解説や完成品披露、ガバプレイを晒していきたいと思いますゾ。
それに、高度な動画製作やイラストも同時に楽しむなら最初から超高性能デスクトップPCを買っておいた方がノートPCのように丸々買い替えの必要もないからね、しょうがないね。
ノートは一部壊れるだけでメーカー修理に出す必要ある反面、デスクトップタイプは少しばかり知識があれば自分で部品の交換・拡張も出来るので長い目で見ればそちらの方が得。
ザク?
何のこったよ?
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