バンダイ HGUC ザク地上戦セット レビュー


 

今回のガンプラは、HGUCより「ザク地上戦セット」をご紹介。

 

以前にレビューさせて頂いた、「陸戦型ガンダム 地上戦セット」と対になる特別セットとなります。

 

それでは早速レビューへと参りましょう。

 




 


パッケージ


 


付属品一覧


ザクを構成するランナー

 

61式戦車及び新造パーツを構成するランナー

 

製品仕様としては、ザクに61式戦車やワッパを始めとした新規造形のもの、エフェクトパーツ等が封入されたもの。

 

全て組み上げるのに、連続2~3時間程度。

 

水転写デカール

 

キットには専用のデカールが一枚付属。

 

ナンバリングを始め、対人用Sマイン発射口等が再現された特別仕様。

 

 


M61 61式戦車


「TYPE61 MBT 61式戦車」は、地球連邦軍が運用・使用していた主力多砲身戦車である。

 

各種操作は徹底的な自動化によって車長兼砲手、操縦手兼通信手の2名だけでも運用可能となっているが、車体に後部ハッチから物資や人員を収納でき、最大4名まで乗車できる。

 

車体前部に操縦手が乗車する他、脱出用ハッチも設けられている。

 

フットペダル方式を採用し、レバーにより方向転換を行う。

 

最高速度は不整地でも時速90kmに達する等、機動力や走行性能にも優れ、安定性も申し分なかった。

 

駆動方式は電気式=モーター方式を採用。

 

MSが登場する以前の兵器であり、主砲は砲塔に「155mm口径滑腔砲」を2門搭載し、戦車としては破格の攻撃力を備えている。

 

また、砲身左右交互の射撃により高い連射速度を持ち、同時に斉射することも可能な他、砲塔側面には発煙弾発射機が各4基の計8基装備。

 

砲塔には砲手が乗車し、自動装填装置により給弾リングに収められた砲弾は自動で装填される。

 

155mm2連装滑腔砲を装備したスタイルは信頼性が高く、制式採用後度重なる改良を受け続け、高性能化と同時に様々なバリエーション機を生み出すことにも成功。

 

加えて、衛星とのデータリンクにより精密長距離射撃が可能であり、電子戦環境が充実していたUC0079以前は無敵を誇る等、名実ともに陸の王者に相応しい高性能MBTであった。

 

しかし、UC0079にジオン公国がMS「MS-06 ザクⅡ」の開発・量産化に成功してからは、両軍のミリタリーバランスは瞬く間に逆転。

 

その圧倒的な性能差に、ルウム戦役では連邦宇宙軍の「マゼラン級」、「サラミス級」からなる主力艦隊はことごとく駆逐され、地球連邦軍は大敗を期す。

 

無論、連邦地上軍の主力であった61式も例外ではなく、地上を縦横無尽に駆け巡る巨大な歩兵と化したMSの前では圧倒され、いとも簡単に数多の車両が撃破されていった。

 

そして、ジオン軍による電撃的な降下作戦が開始されてからは、地上は「MS-06J」に完全に蹂躙されてしまう。

 

特に、ミノスキー粒子が実用化されてからは不要となってしまったレーダー、データリンク等のシステムサポートを受けられない状態の61式は、長距離砲撃では機動力に勝るMSに容易く回避されてしまう始末であった。

 

MSを確実に確実に撃破するには、敵機の射程内に入って戦闘せざるを得なかったが、これは長距離砲撃を主任務とした61式にとっては極めて不利な状況な事は言うまでもない。

 

一度でもMSの接近を許せば、唯一の有効打である上半身への砲撃を敢行するための仰角が足りず、ひたすら足元で踏み潰されるのを待つ悲惨な末路が待ち受けていた。

 

加えて、脆弱な上部装甲を狙い撃ちされれば、一撃で撃破されてしまったため、開戦当初はMSに対して全く歯が立たなかったが、依然としてその主砲が強力なものであることには変わりはない。

 

作戦や運用法次第では「MS-06」を始めとしたMSを撃破することもあり、戦車隊による主砲一斉射撃も有効な手段であったり、連邦軍によるMSの早急な配備が進むまでは、最後まで頑強な抵抗をし続けた。

 

その後、連邦軍の主力MS「RGM-79」のロールアウトを機に、連邦軍でもMSの量産化が本格的となった後も、MSとの共同運用や火力支援、偵察任務、暴徒鎮圧などに投入され続けた。

 

一説には、シャアの反乱時にも配備が確認されていたと言われ、地球連邦軍で最も長く運用された兵器の一つとして認知されるようになる

 

ということで、「61式戦車」です。

 

ガンダムシリーズにおける、ミリオタ御用達の王道を往く戦車であり、脇役ながらも主役も担ったこともある影の人気者。

 

特に、重力戦線第2話における活躍シーンは61式唯一の見せ場。

 

ザクに踏みつぶされる様相は、戦車乗りにとっては極上の棺桶になるかもしれない(ミンチよりひどい圧死がご褒美とはたまげたなぁ・・・)

 

陸戦型ガンダムに付属した、ホバートラックと同じくMSイグルー仕様で立体化。

 

手のひらに乗るサイズながら、レーザー加工やスライド金型を駆使し、CGで描かれた61式戦車を、現用戦車を意識した精密なディテールで再現。

 

パーツ数や可動は抑えられながらも、1/35スケールで立体化された「U.C.HARD GRAPH 」版と同等の情報量を維持。

 

原作では戦車としては型破りのパープルカラーでしたが、成型色はグレーで再現。

 

より現代的なアレンジで造形化され、原作ではオマケ程度の存在であった61式戦車にスポットを大きく当てているのも特徴。

 

ちなみに、このシリーズはHGUCながらも、厳密には「HG U.C. HG(ユーシーハードグラフ)」という独立したブランドであり、「HGUC」「U.C.HARD GRAPH 」の側面を併せ持つのが特徴。

 

ちなみに、(ザクのレビューは)ないです

 

 


砲塔


砲塔は現用戦車を参考に、よりリアリティ溢れるアレンジへ変化。

 

情報量の密度は、とてもHGとは思えないレベル。

 

精緻なモールドは元より、上部ハッチやダクト等も精密に再現。

 

砲塔は2門装備という、艦艇の砲台を取って付けたような風貌。

 

機関砲は破損防止の観点からか、通常よりフラッグが幅広い面積で、若干野暮ったい印象。

 

それ以外は優秀なので、銃身下部のフラッグを上手く切除出来れば、劇的にディテールアップ可能な筈。

 

砲台はターレットを軸に、360°回転可動。

 

砲身は設定通り、行俯角は45°程度が限界。

 

砲口は残念ながら再現されていないので、開口する場合はピンバイス等で加工する必要あり。

 

今回はピンバイスで穴を空け、砲口を再現・・・お、空いてんじゃーん!

 

また、砲身基部には肉抜き穴があるので、ディテールアップする際は要注意。

 

 


車体


車体そのものは少ないパーツ数ながらも、極めて高密度なディテールで成型。

 

バンダイの技術力が、他社をリードしていることを痛感させるパーツ構成。

 

 

操縦士用ハッチ等、砲塔で殆ど隠れてしまう部分等、モールドからディテールまで一切の妥協は無し。

 

これも先行してリリースされた1/35スケール版のノウハウのおかげって、はっきりわかんだね。

 

車輪部分は一部を除き、ほぼ一体成型なので、ガンタンクと異なり一つ一つ組み込む必要がありません。

 

車体底面のディテールも精密に再現。

 

履帯はガンタンクやヒルドルブのように一体成型ではなく、3パーツ構成。

 

なので、所々に合わせ目が現れてしまうのが欠点。

 

しかしながら、これに関しては理由があるので後述。

 

また、車体側面のフェンダーは10式のモジュール装甲のように取り外し可能。

 

走行内部にはスコップ等、雑具等を緻密に立体化。

 

地味ながらも、よりリアリティを感じられるギミック。

 

 


比較


「ホバートラック」との比較

 

どちらもEXモデルに勝るとも劣らない情報量で、最早これらがキットの本命。

 

反面、付属のMSとのディテールに差が顕著に現れ、余計に違和感を強調してしまうのが欠点。

 

「10式戦車」との比較

 

ちなみに、陸上自衛隊の「10式戦車」と比べると、61式戦車の巨体がさらに際立つ光景。

 

61式自体の車長も11.6mと、MSの半分以上を占める等、実際はかなり巨大な車両。

 

「ガンタンク」と揃い踏み

 

2連装は連邦軍の伝統なのか、その後のガンタンク、ガンキャノン等の連邦軍支援機はキャノン砲2門が標準装備。

 

「ヒルドルブ」との比較

 

ジオン軍の超弩級戦闘車両「ヒルドルブ」と比べると、流石に61式が小さく見える見える・・・

 




 


オプション


オプションパーツはザク専用の武装を始め、各種エフェクトパーツ等が充実。

 

ザクⅡ

 

付属のザクⅡは17年前に発売されたものをそのまま流用しているため、特に言及する部分は無し。

 

可動も肘・膝共に90°が限界。

 

腰は一切可動しない。

 

合わせ目が出る等、構造的古さを感じる

 

一応、肩関節は引き出し機構を備え、ザク・マシンガンを両手で構える事は可能。

 

詳細な情報は下記リンクからどうぞ⇓

バンダイ HGUC 量産型ザクⅡ レビュー

 

ザク・マシンガン

 

毎度お馴染みのザク・マシンガン。

 

もういくつ作ったのか・・・これもうわかんねぇな。

 

ターゲットスコープやフォアグリップ等は可動し、合わせ目が出る以外、造形やディテールは優秀。

 

ザク・バズーカ

 

バズーカはターゲットスコープやフォアグリップ等は可動式。

 

しかし、グリップは可動しないので、マイナーチェンジが施されたジョニー機のものに比べて使い勝手に劣る形。

 

しかしながら、後述のエフェクトパーツはこの旧型にしか対応していないので、どちらも一長一短。

 

シュツルム・ファウスト

 

ケンプファーに付属していたものと同タイプ。

 

アタッチメントを介して、サイドアーマーに懸架可能。

 

ヒート・ホーク

 

ヒート・ホークは一体成型。

 

マウントラッチでサイドアーマーに装備可能。

ハンドパーツ

 

ハンドパーツは新規造形されたものが付属。

 

しかしながら、成型色の関係でグレー色なので、塗装しなくてはならないのが欠点。

 

クラッカー

 

このキットに付属するクラッカーは、僅か2パーツ構成。

 

ザクの手のひら程の小さなパーツながらも、造形は忠実に再現。

 

フット・ミサイル

 

フット・ミサイルは「MG ザクVer2.0」と同じく、合わせ目が出ない構成。

 

その上、弾頭一つ一つが別パーツなのもメリット。

 

頭部(ブレードアンテナ装備)

 

頭部パーツは、ブレードアンテナを装備した指揮官型を再現可能なものが付属。

 

エフェクトパーツ

 

61式が撃破されるシーンを再現するためのエフェクトパーツは、ランナーの関係で2つ付属。

 

砲塔を外し、挟み込んで撃破シーンを再現。

 

しかしながら、単色成型なので劇中のようなシーンを再現するには塗装が必要不可欠。

 

バズーカ用エフェクト

 

バズーカには、噴煙と弾頭を発射したエフェクトパーツが付属。

 

こちらも塗り分けを行わないと、まともに鑑賞に耐えられないのがデメリット。

 

また、噴煙の造形も単調なので、よりリアリティを求めるなら他から流用した方が良いでしょう。

 

歩兵

 

キットには同スケールの地球連邦軍兵士、ジオン軍兵士がそれぞれ付属。

 

ジオン軍兵士は拳銃を構え、連邦軍兵士はライフルを構えた造形。

 

同スケールということで、別売のホバートラックの荷台に乗せたりと、歩兵フィギュア自体のプレイバリューは高め。

 

破損履帯パーツ

 

履帯は破壊され、車輪から外れた状態のものが付属。

 

履帯が一体成型では無かったのは、この差し替え用パーツが存在したため。

 

とは言え、これが余計な合わせ目が出てしまう原因で、特に不要なら接着して合わせ目処理を推奨。

 

底部に関しては、特に気にならないのですが・・・

 

ワッパ

 

61式戦車の他に、ジオン軍のホバーバイク「ワッパ」も2機付属。

 

こちらも小サイズながらも精密に立体化され、パイロットだけでなく、機関銃「マズラMG74/S」も再現。

 

底部のファンも緻密に再現。

 

付属品はこれで全てですが、基本的には同時期に発売された「陸戦型ガンダム 地上戦セット」と酷似。

 

なので、これらを併せればプレイバリューが向上し、ジオラマ製作等がより楽しめます。

 

バンダイ HGUC 陸戦型ガンダム 地上戦セット レビュー

 

 


アクション


ということで、「ザク地上戦セット」でした。

 

このシリーズは、基本的に拡張パーツがメインなので、主役はあくまで61式戦車。

 

61式戦車自体は、非常に精巧な造形で立体化されており、砲塔の旋回から砲身仰角調整まで可能と、戦車としての魅力を余すところなく再現。

 

アレンジは、現代の戦車を意識したリファインにより、原作の面影が無くなる程の大胆なアレンジ。

 

原作準拠デザイン

 

なので、付属のザクと並べると、ディテールと情報量の密度が別物なため、嫌でも完成度に差が出てしまう形。

 

遺憾ながら付属のザクではなく、RG版を並べた方が自然に見えます。

 

親HGUC派の筆者としては、61式自慢のハイディテールが逆に仇となっている現状に涙がで、出ますよ・・・はーつっかえ(呆れ)

 

加えて、付属のザクは陸戦型ガンダムよりも旧式なので、アクション性やギミック面でも大きく見劣りしてしまうのが欠点。

 

今回、アクション編は安定のF2が担当。

 

今後、量産型のリバイブ版が出る事が予想されますが、あくまでHGUCでのコレクションの統一を目指すなら、並べるはリバイブ版の方がオススメ。

 

余談ながら、リバイブ版シャアザクを白で塗装すれば、ホワイトオーガー仕様も再現可能なので、思う存分61式をふみふみ出来るゾ。

 

とは言え、重力戦線で登場したザクは「MG ザク Ver2.0」がモデルとなっているため、劇中再現するためには多少モールドを追加する必要あり。

 

または、アニメーション準拠の61式を並べたいところ・・・

 

(しかし、61式の旧キットが発売された記憶は)ないです。

 

ググっても陸自の61式ばかりなんだよなぁ・・・

 

それと、付属のザクに関しては、より詳細なレビューを後日うp予定です。

 

それでは皆さん。

 

楽しいホビーライフを。

 

 

 


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5件のコメント

  1. この小ささでこのモールド!?うせやろ?まじで並べるとモールドの差が広がってないか?自分は親HGUCから
    中道になりました(RGとHGUCの橋渡し並感)

    1. ノンケ兄貴

      コメントありがとナス!

      >この小ささでこのモールド!?うせやろ?

      いえ、本当です。

      これだけははっきりと真実を伝えたかった(直球)

      >まじで並べるとモールドの差が広がってないか?

      モールドというより技術力の差なんだよなぁ・・・(落胆)

      アカンこれじゃオリジナルの存在が死ぬぅ!(黒歴史化)

      >自分は親HGUCから中道になりました(RGとHGUCの橋渡し並感)

      あーダメダメダメ!

      もっとHG買って、キット化されてないMSの立体化に貢献、しよう(多々買い)

      1. もっと塗装すればアーイキソ…
        イカスミ焼き?じゃなくてスミ入れでもモールドの深さが入ってる入ってる
        技術の差は悲しいなぁ…まぁ、時代をカンディル…
        HGの立体化…あっ、そっかぁ…
        じゃけん買いましょうね~お金はHGの発展のために体の中に大事にしまっておくよ

  2. ミリタリー好きとしては嬉しい61式、1/35も欲しいですがお値段と大きさがネック
    なのでこのセットで多々買う所存(`・ω・´)ゞ デザートイエローとかジャーマングレーとか大洗ブラウンとか…ん?w
    ワッパも付いているので「時間よ、とまれ」の再現も出来ちゃう♪
    そういや当時はマゼラアタックはキット化したのに不遇だった61さんェ…

    どうせならザクとじゃなくホバートラックとセットで売ってくれバンダイ

    1. 何某様

      コメントありがとうございます♪

      >ミリタリー好きとしては嬉しい61式、1/35も欲しいですがお値段と大きさがネック

      1/35スケールは高スギィ!と思ってましたが、プレ値でなくても高かったんですね・・・

      >なのでこのセットで多々買う所存(`・ω・´)ゞ デザートイエローとかジャーマングレーとか大洗ブラウンとか…ん?w
      ワッパも付いているので「時間よ、とまれ」の再現も出来ちゃう♪

      再販されたばかりなので、買うなら今が良いですね(ステマ)

      >そういや当時はマゼラアタックはキット化したのに不遇だった61さんェ…

      しかしながら、2000年に入って晴れて1/144&1/35スケールキット化。

      これはマゼラには真似できない偉業。

      >どうせならザクとじゃなくホバートラックとセットで売ってくれバンダイ

      い つ も の(抱き合わせ商法)

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