今回のガンプラは、MGシリーズより『ボール Ver.Ka』をご紹介。
先輩こいつまた玉とか紹介しだしましたよ、やっぱ好きなんすねぇ!
それでは早速レビューへと参りましょう。
パッケージ
付属品一覧
総パーツ数はMGの中でも最少で、かなり手早く組むことも可能。
ビギナーでも1時間程度あれば十分完成させられます。
また、キットには専用のリード線とダイキャストパーツも同梱。
マーキングシール
ガンダムデカール
RB-79 ボール
『RB-79 ボール』と言えば、こんな姿をしているがれっきとしたMSである。
簡易型MS、作業用モビルポッド等、名称は様々だが一応MSなのだ。
このボール、ガノタ兄貴ならどういうイメージを思い浮かべるだろう?
劇中ではザクに蹴飛ばされてサッカーボール扱い、ビグ・ザムにまとめて溶解させられたりと踏んだり蹴ったりの場面しか思い浮かばない者が多いだろう。
そして、ジオンの電撃的な降下作戦を水際作戦で防ぎ続けた頑張りように反し、ボールは棺桶と味方から揶揄される始末。
ボールこそ、ガンダム界きっての消耗品の悲哀を感じさせる一番リアルな兵器であり、戦いは数を如実に体現した存在でもある。
しかしながら、連邦軍がGMを実戦に本格的に投入されるまでは、宇宙では連邦軍の実質的な主戦力であり、状況次第ではMSすら倒す活躍を見せた。
一年戦争ではガンダムの勝利が大きくクローズアップされるが、実は一年戦争最大の功績を上げているのはボールである。
第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇る世界最強と呼ばれたティーガーが一時期は戦場を蹂躙したが、直ぐに連合軍が大量投入したシャーマンの数の暴力の前には敗北を期した。
この勝敗の理由は、連合軍の膨大な生産性であるとされ、当時は移動に最後まで馬車を使っていたドイツ軍に対し、連合軍側は数十万ものジープや輸送用トラックを戦線に投入していた。
つまり、地味なメカニックの存在がそこにはあり、それを一つの戦場に集中投入することが勝利の鍵となったのだ。
実際に連邦軍の強靭なバックグラウンドを象徴するかのように、一年戦争でボールは大量生産され、それこそ本来主力MSとして期待されていたGMを超える勢いであった。
そして、GMと連携させることで予想以上の働きを示し、皮肉にも戦いは数という敵軍の将が発した言葉が現実と化してしまったのだ。
そんなボールは、見た目もシンプルだが、その構造も実に単純明快であり、球体から手が生えただけの独特のもの。
そんなボールだが、1980年代では最もリアルなガンプラとして呼ばれており、当時300円で売られていた他のシリーズと比べて不満を持つユーザーも多かったという。
しかしながら、その組み立てやすさから、やがてその理由も納得がいく。
数あるガンプラの中で、当時では最も劇中の造形に忠実であったからだ。
そして、フィクション・現実問わず大量生産された背景を感じ取れる唯一のガンプラでもあった。
そんなボールにはある説が提唱され、その名も『ボール、ガンタンクの廉価版説』が存在し、これは別冊宝島から発行された「僕たちの好きなガンダム」に記載されている。
この論文を読み解くに進み、筆者が驚いたのは、ボールとガンタンクは同じ局地戦型であり、キャノン砲を1門搭載しているというのがその理由というガバ論説である。
ここで、「あ、おい待てい」と、ガノタ兄貴じゃなくても異論が噴出するのは当然だ。
GMがガンダムの廉価版というのは納得がいくが、何度読み返してもボールがガンタンクの廉価版という主張は私には理解に苦しむね。
現に、ガンタンクには改良型として量産型ガンタンクなる派生機が存在しているのだから。
しかしながら、肝心なのはここからで、ボールはグリプス戦役以降はガンタンク同様に完全に系譜が途絶えていることに着目している点。
GMはマイナーチェンジや世代交代によって、実に半世紀以上生まれ変わっているのに対し、ボールは同時期に派生機(K型)が存在しているが、以後は開発されていない。
そもそも、MS相手に集団戦法でなければ満足に戦えないボールは、パイロットを無駄死にさせて資材や人材を浪費させ、弾切れやバッテリーが底を付けば敵に突っ込むしか手段がない、まさに未来の人間魚雷「回天」そのものだ。
これはMSの誕生によって、時代が砲撃戦主体の旧来の戦いから、MS同士の格闘戦に移行したことに追従出来ないことも指摘され、ある意味では戦争における技術進歩という皮肉なことにリアルな側面を背負っていたのだろう。
はたまた、ボールが姿を消したのは必然だったのかもしれない。
ということで、『ボール』です。
この玉はHGUC版でもご紹介しましたが、MG版はVer.Kaと銘打っている通り、カトキ兄貴によってリファインされたもの。
しかしながら、実際はオリジナルではなく、むしろ0083に登場する『ボール改修型』のキット化と言っていい代物で、カトキ兄貴の玉はガワラ兄貴のデザインと比べて完全に別物。
HGUCと同じくシールを必要とせず、組み立てただけで設定配色を再現。
内部メカの情報量や密度はMGでも屈指と言っても過言ではなく、秀逸なギミック・精密なディテールとは裏腹に2,000円という圧倒的単価の安さも魅力。
実は、MGで最も完成度の高いガンプラの最有力候補が玉ゾ。
頭部(胴体)
球体型の頭部は、オリジナルからディテールやモールドをを新規に追加。
キャノピーを始め、クリヤーパーツも各部に配した仕様。
コックピットハッチは開閉可能。
コックピット周辺のモールドは緻密に施されており、コンソール等も別パーツで再現。
HGUC版では不在だったパイロットもしっかり再現してて、いいゾ~コレ!
バーニアは左右独立可動。
ノズル部分は多重関節により、想像以上にフレキシブルな可動を実現。
側面にはクリヤーパーツを採用。
HGUC版でもフィードバックされた部分であり、こ↑こ↓はかなり重要な部分。
小型スラスターも別パーツ化され、全て独立可動。
砲塔基部のディテールも精密に再現。
腕部
腕は多重関節により、フレキシブルに可動。
シリンダー部分はダイキャスト製。
塗装では難しいメッキ調の光沢が、よりリアルな質感を再現。
リード線は極細タイプを使用。
しかしながら、結び目を作らなければならないため、不器用な人間がやると少し手間取る部分。
左右のマニピュレーターは開閉可能。
マニピュレーター自体の保持力の高さと相まって、物を掴む事も出来ます。
裏打ちされているため、肉抜き穴等もなく、ディテールも精密に再現。
腕の可動範囲は総じて広めで、多重関節で自由度が高いのが特徴。
また、腕部の一部には合成ゴムを使用。
またゴムか壊れるなぁ・・・(経年劣化)
付け根が軟質素材なので、ある程度は無理な動きは可能ながら、HGUC版に比べて可動範囲は低下。
ver.kaでは、サブアームが展開可能。
爪先も独立可動。
腕は中央に分割線が現れるため、併せ目消しは必須。
一応、頭部と腕部は分離可能。
注意点として、腕部は全てABS樹脂製。
注視すると、本体と腕部でグレーの色味が異なるので、目安として
内部フレーム
内部フレームは極めて精密に再現。
外装、トラスフレーム、内部メカの3層構造という、ガンプラでは非常に特殊な構成。
トラスフレームは取り外し可能。
逆に単純な構成のボールだからこそ可能にした構造。
底部のディテールの密度も、並みのMGを軽く凌駕。
バーニアは、内部メカもメカニカルな造形で再現。
底部バーニアも可動式で、ボールジョイントで自由度はある程度確保。
外装はその大半が一体成型。
細かい部分は、分割線に合わせて別パーツ化されており、HGUC版と異なり、合わせ目は出ません。
装甲裏側もモールドをリアルに表現。
ちなみに、この特徴的な3層構造は後続商品である『MG アッガイ』にも採用され、内部構造の情報量増加にさらに拍車をかけている。
比較
『MG ボールK型』と比較
バリエーションキットであるK型は、成形色や武装の他、細部がマイナーチェンジされた以外同じ。
規格が同じなので、武装はマシンキャノンの流用も可能。
『HGUC ボール』との比較
設計や開発ノウハウはHGUC版に活かされている部分もありますが、ご覧の通りほぼガワラ兄貴のものとは別物。
Ver.kaはカトキ兄貴特有の実物を意識したようなリファインがなされ、作業用重機をイメージしたかのようなアレンジ。
底部バーニアもHGUCでは4つですが、MGでは1つのみ・・・穴は一つしかないから。
側面のバーニアの形状の違いも特徴の一つ。
玉ばっかじゃねーかよお前ん家ィ!
何個玉買えば気が済むんだお前ホントに(自問自答)
オプション
オプションパーツも必要最小限で、主なものはディスプレイスタンドのみ。
ディスプレイスタンド
専用ディスプレイスタンドは、フレームを組み合わせた特殊な構造。
フィギュア
キットには同スケールの連邦軍兵士が2種付属。
非常に小さいものながら、レーザー彫刻で細部まで精密に造形化。
アクション
ということで、『MG ボール Ver.ka』でした。
造形、可動、ディテール、コストパフォーマンスとあらゆる面で優れており、ドム同様にボールに外れ無しと言わしめる完成度の高さは無視できないものがあります。
何気に旧キット時代から劣化がほぼ皆無なのも玉の強みなんだよなぁ・・・
『質感やディテールにこだわった“Ver.Ka”モデルならではのハイクオリティに仕上がった逸品。』と銘打つだけあり、完成度はMGでもベスト5に入ると言っても過言ではない傑作。
作業用ポッドとしてのリアル感の追及し、各部のディテールをより精密に再現するため、アーム部には金属シャフトを使用しているのも大きな魅力。
アーム基部の関節力バーなどには軟質パーツを使用し、リアルな質感を表現を実現。
また、精密感を演出するため、アーム先端には極細のリード線を使用する等、ディテールの追求に妥協を一切許していないのも特徴。
それでもって、他のMGと比べて圧倒的に部品数が少なく、MG初心者が作るにはうってつけのキット。
とは言え、所詮玉は玉。
簡素な造形と構造なので、人型のようなダイナミックかつ多彩なポージングは不可能。
反面、可変機のようなデリケートな構造ではないため、腕を除いて壊れにくいという利点はあります。
特に見せ場のある機体でもなく、人気機種でもないので余程のマニアやコアユーザー向けのガンプラと言わざるを得ないのが実情。
その実態はファーストガンダムに登場するから、オマケ扱いでプラキット化されたようなもの。
今回はプレバンで購入したものですが、ロゴが赤バンダイな辺り、近年再生産されたものではなありませんねクォレハ・・・
簡単に言えば、頻繁に生産される程人気がない、はっきりわかんだね。
しかしながら、一番の見所さん!?はMG随一の最安値ということ。
ガンプラ全体で高騰傾向にある中で、定価は税込2,000円と現行のHGと同価格帯であり、さらに家電量販店では2,000円を割り込むと破格。
(恐らくこの記録が未来永劫破られることは)ないです
コストパフォーマンスにおいては、まさしく圧倒的で他の追随を許さず、最もガンダムワールドの世界観を感じ取る事が出来るのが最大の魅力。
昔のバンダイはこういう技術をひけらかして、自慢しつつも顧客満足度を得るために手段を選ばないという野心とも言える執念があり、この時期が一番生き生きしてたって、それ一番言われてるから。
ちなみに、プレバンで再販中なので公式サイトで買って、どうぞ。
それでは皆さん。
楽しいホビーライフを。
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ネオアームストロング(ry
なんで玉には竿(キャノン砲)しか付いてねぇんですかねぇ。ミサイルとかの兵装バリエーションはあってもいいとは思うんですが、あ、ミノ粉のせい?でもジム兄貴にはミサイルあるしなぁ···
と疑問に思ったんでwiki見てきたらクロボン時代にまでバリエ機作ってるとか、外伝作品はどんだけ玉好きなの···あっ、ポリポッド先輩足あるからって蹴るのやめて···
とまぁ色々ネタに困らないボールパイセンですが、個人的には12.8mあるのが1番信じられないっすわ。そんなにデカく見えねぇって。
焦げ色たまねぎ様
コメントありがとうございます!
>ネオアームストロング(ry
なんで玉には竿(キャノン砲)しか付いてねぇんですかねぇ。ミサイルとかの兵装バリエーションはあってもいいとは思うんですが、あ、ミノ粉のせい?でもジム兄貴にはミサイルあるしなぁ···
玉も竿もでけぇな(褒めて伸ばす)
>と疑問に思ったんでwiki見てきたらクロボン時代にまでバリエ機作ってるとか、外伝作品はどんだけ玉好きなの···あっ、ポリポッド先輩足あるからって蹴るのやめて···
外伝特有の後付けでいつの間にか派生機作られてたんですね・・・
しかしながら、これで玉は人気機種だってことが証明されました。
>とまぁ色々ネタに困らないボールパイセンですが、個人的には12.8mあるのが1番信じられないっすわ。そんなにデカく見えねぇって。
ガンプラではスケールどころか、ガンダム作品自体の設定全高ガバガバなので、あまり参考にしない方がよろしいかと存じます。
MGは玉も竿もデケェな(褒めて伸ばす)
再販分どうすっかな〜?
わし(ジオニスト)としては連邦に浮気する訳にはいかないとはいえ、量産機フェチの性癖に食い込んで気持ちいい!
こんな忠実な造形で作っちゃってさ、赤バンダイは誇らしくないの?
ところでボールの設定を見てくれ、こいつをどう思う?(お約束)
パトリオット兄貴
コメントありがとナス!
>MGは玉も竿もデケェな(褒めて伸ばす)
再販分どうすっかな〜?
わし(ジオニスト)としては連邦に浮気する訳にはいかないとはいえ、量産機フェチの性癖に食い込んで気持ちいい!
玉はジオニストにとってもジオラマの素材としても使えて気持ちがいい!
マイナーメカはバンダイから優遇されてていいゾ~コレ!
こんな変態親父と玉遊びしないか?(意味深)
>こんな忠実な造形で作っちゃってさ、赤バンダイは誇らしくないの?
何とか言えよ変態!(称賛)
>ところでボールの設定を見てくれ、こいつをどう思う?(お約束)
はえ^~すっごいガバ設定・・・
MSなのかMAなのかどっちだよ?(素朴な疑問)
レビューありがとうございます。
MGは大きさと値段、それに難易度が高い印象があってどうにも手を出しにくかったのですが、このくらい安くて見栄えもいいとなるとちょっと興味が湧きますね
亮兄貴
コメントありがとナス!
MGは大きさと値段、それに難易度が高い印象があってどうにも手を出しにくかったのですが、このくらい安くて見栄えもいいとなるとちょっと興味が湧きますね
コスパ最強という意味では、『MG ボール』が一番満足度高いですねクォレハ・・・
レビューお疲れナス!初MGは玉にしようかな〜俺もなぁ〜可動域はしょうがないね…まあパイロットあるからいいゾ〜これ
あっ、そうだMGのEx-Sを作ったりする予定はどう?ありそう?
ノンケ兄貴
コメントありがとナス!
>初MGは玉にしようかな〜俺もなぁ〜可動域はしょうがないね…まあパイロットあるからいいゾ〜これ
お、そうだな。
初心者には玉がオススメって、それ一番言われてるから。
>あっ、そうだMGのEx-Sを作ったりする予定はどう?ありそう?
(売って)ないです
ガンダムMK-Vは手に入ったのに、都心在住じゃないからEX-Sが近場じゃ売ってない、はっきりわかんだね(半ギレ)
カトキ兄貴の玉(直球)
ちょっと玉のくせに完成度高すぎんよ~
二つ繋げたくたくなっちゃうヤバイヤバイ……キャノン砲♂つけたらアァンヒドゥイ!(狂気)
まりあな兄貴
コメントありがとナス!
>カトキ兄貴の玉(直球)
ガワラ兄貴の玉も小さくはないですね・・・(1/100スケール並感)
>ちょっと玉のくせに完成度高すぎんよ~
玉のくせによ~(偏見)
お前一番完成度高いって言われてるぞ。
>二つ繋げたくたくなっちゃうヤバイヤバイ……キャノン砲♂つけたらアァンヒドゥイ!(狂気)
フグリ!(レ)
メタリック塗装で完全合体合金OTNTN完成させてください・・・(懇願)
ザクに蹴られジムにぶつかるシーンを再現したいですね。
丸い棺桶とか言われてるボールがこんなにかっこいいわけない。
ほかの兄貴同様玉のくせに完成度高すぎなんだよなぁ。
転売屋大杉兄貴
コメントありがとナス!
>ザクに蹴られジムにぶつかるシーンを再現したいですね。
お、そうだな。
ボールを相手のGMにシュゥゥゥーッ!!
超エキサイティン!!(BTRDM)
>丸い棺桶とか言われてるボールがこんなにかっこいいわけない。
ほかの兄貴同様玉のくせに完成度高すぎなんだよなぁ。
玉のくせによー(偏見)
これで腕が丸ごとABSじゃなきゃ満点上げても良かったゾ。
オッスオッス!
MGボールくんいいゾ~これ
丸ごとABSアームと合成ゴムの塗装はーめんどくせマジで(半ギレ)
ボールくん近所のジョーシンと少し行ったヨドバシでも何故か無かったゾ…(困惑)
ニュービーホモガキ兄貴
コメントありがとナス!
>MGボールくんいいゾ~これ
丸ごとABSアームと合成ゴムの塗装はーめんどくせマジで(半ギレ)
合わせ目も出るし、腕ごとABS樹脂はやめてくれよ・・・(絶望)
>ボールくん近所のジョーシンと少し行ったヨドバシでも何故か無かったゾ…(困惑)
多分、プレバンだと不良在庫扱いだと思うんですけど(名推理)