全国のバーザムファンが歓喜に包まれた。
放映開始から30年以上の時を超えて、不運のMS「バーザム」が遂にガンプラとして初プラキット化。
あまりに不遇なこの機体を、バンダイはいかに作り上げたのか?
早速レビューへと参りましょう。
パッケージ
付属品一覧
現在のHGUCとしては、ごく標準的な数量。
組み立ても比較的簡単で、1時間程度あれば十分組み立てられます。
RMS-154 バーザム
ということで、扱いの悪さに定評があるバーザムが遂にHGUCにて立体化。
人によっては、「こんなMSいたっけ?」と思わせる程、影の薄さが顕著に現れていた機体ながら、そのデメリットを逆手に取ったカルト的人気を獲得。
長いことスルーされ続けた本機ですが、キットはその不遇ぶりを覆す程、極めて完成度が高い代物。
プロポーションは現代風にリファインされており、均整の取れたスタイルで造形されています。
可動域もそのデザインから想像が付かない程に広く、驚くほど精密な作り。
ディテールやモールドも、よりメカニカルにアレンジされ、本当にあのバーザムなのかと疑う程に精悍な雰囲気。
おまけに合わせ目は、本体はおろか、武器にも存在しない等、バンダイのマイナー機びいきが炸裂した製品となっています。
明らかに力の入れ所を間違うことが多い、バンダイホビー事業部渾身の一作と言った所です。
欠点はバーザム自体の影が薄く、知名度も実力も全く備えていないということだけです。
頭部
過去のどの機体とも酷似しない、独特の風貌。
巨大なトサカも忠実に再現。
モノアイはクリヤーパーツで、モノアイレールまでも再現。
ハイザックやマラサイはおろか、後発のガルバルディβですら、ここまで細かく作られていません。
やはりバンダイはマイナー機に甘い、はっきりわかんだね(確信)
肩部
肩関節の自由度は他を寄せ付けず、真上まで腕を上げることも可能。
引き出し機構も備え、さらに可動域を広げられます。
現行のフォーマットで設計されているので、自由度は極めて高いです。
腕部
肘関節は二重関節。
デザインの弊害もありますが、90°以上は曲がる等、必要十分な可動域を備えます。
マニピュレータ(平手)の造形も秀逸です。
胴体
独特の構成の胴体ですが、関節は柔軟に可動します。
腹部のシリンダー等、メカニカル造形は見所。
リアアーマーの接触で、反ったり、旋回はそれ程で得意ではありません。
左右に傾くのは中々優秀。
しかしながら、パーツの接触が多い箇所なので、塗装後は塗膜剥げに用心しなければなりません。
特徴的なリアビュー。
造形や色分けも良好。
ノズル内部も、これでもかと細かく作り込まれています。
ガンダムMK-Ⅱの簡易量産型という設定を持つバーザムは、別売の「HGUC ガンダムMK-Ⅱ」のバックパックに換装可能。
これで、Gディフェンサーと合体して「スーパー・バーザム」も再現出来る!
下半身
スラリと長い脚部は、総合的に見てもアクション性は抜群。
股関節は軸関節で、極めて可動域が広いです。
膝関節は二重関節で、デザインとは裏腹に良く動きます。
足首の可動域はそこそこ広めで、接地性も見た目の割りには優秀。
つま先は独立可動。
足裏のディテールも良好。
スラスター部分の造形も見事で、合わせ目すら出さない設計は大したものです。
全体的に見ても、製品のクオリティは同価格帯でも群を抜いています。
オプション
オプションは専用ビームライフルとサーベル二本。
通常、他の機体の武器には合わせ目がありますが、バーザムのライフルは細かく分割されており、合わせ目が存在しません。
色分けも良好。
サーベルは収納状態と展開状態の二種が付属し、収納状態は腕に収めることが可能。
ビーム刃はクリヤーイエロー成型のものが二本付属。
ビーム・ライフルはグリップが可動式。
設定のデザインの再現性もさることながら、パーツ分割も巧みで隙がありません。
肩とライフルを繋ぐエネルギーケーブルは、差し替えで再現。
ライフルは肩と接続した方が保持力が高め。
他機体との比較
ガンダムMK-Ⅱと。
事実上、MK-2の系列機ながら、似ても似つかない外観。
ガルバルディβと。
ティターンズではスタンダードな人型MSと並ぶと、特に異質なフォルムが際立つバーザム。
バイアランと。
双方れっきとした人型ですが、他の機体とは何かが違う。
アクション
ということで、「HGUC バーザム」でした。
開発陣は余程思い入れがあるのか、想像以上に高い完成度を誇る今回のHGUC バーザム。
この価格帯で、ここまで精巧に作られたガンプラというのも珍しいと思わせる程です。
プロポーション、可動性能、ディテールと全てが高水準で纏まっており、間違いなくバーザム立体物の集大成と呼ぶに相応しい製品内容。
組み立てやすさは元より、パーツ精度も申し分なく、色分けも現行のアイテムとしては特に優秀で、マニアにはこの上ないマストアイテム。
一方で、腰周りのパーツの接触による塗装剥がれも想定されるので、塗装派は用心して掛からねばなりません。
後は特段、欠点らしい欠点はありませんが、
以上のことから、バーザム立体物としては屈指の完成度と魅力を兼ね備え、現行のHGUC内でも図抜けて高いクオリティを持つと言っても過言ではありません。
ファンは勿論、バーザムをあまり知らない方にも、是非手に取って頂きたい逸品です。
そして、今回はこのように完成させました。
作例はいつも通り、重厚感と金属感を強調した仕上げです。
細部のディテールアップで、さらに完成度を高めることが出来ました。
下記リンクからは、塗装を見据えた改修方法をご紹介↓
それではみなさん。
楽しいホビーライフを。
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