■VFG 改修製作記1
以前にレビューさせて頂いた青島文化教材社の VFG ジークフリードですが、こちらでは主に個人的な改修を加えた製作記としています。
製品の詳細に関しては下記リンクからどうぞ↓
今回はプラキットのメインとなる素体少女の改修です。
少女は全身の大半がABSですので、リスクの高い全塗装は避けることにします。
まぁ、ABSパーツだからといっても、薄め液にドップリ浸さない限りはそうそう割れませんが。
ABSでヒビが特に現れるのは、負荷の掛かりやすい関節部分ですので、基本は成型色で仕上げ、配色の足りない部分を塗装して行きましょう。
ですが、念には念を入れて下準備をしていきたいと思います。
それでは製作に取り掛かりましょう。
・合わせ目消し
まずは各所の合わせ目から消して行きましょう。
成型色仕上げを敢行するならば、合わせ目を消すことは勿論、ゲート痕の処理も当然行います。
特に肌の露出した部分、胴体等を重点的に処理。
合わせ目の消し方は、パーツをはめ合わせて、少し隙間を空けた状態でセッティング。
後は、タミヤセメント(流し込みタイプ)を隙間に流し込みます。
分割線に接着剤が十分行き渡ったら、パーツをはめ合わせます。
すると、はめ合わせた箇所から接着剤がはみ出ます。
これは、接着剤によって溶解したプラスチックが表面に露出した状態で、いわば溶接後のようなものです。
つまり、この盛り上がった接着剤は、合わせ目消し第一段階の成功を意味します。
不完全だと表面が盛り上がらないので、失敗したらもう一度パーツを分離させ、再度接着剤を流し込んでハメ合わせます。
しかし、流し込む量があまりに多いと関節ごと固定されてしまうので、適量を意識する等要注意です。
上記の方法で、大腿部のパーツの合わせ目も処理。
同時に胴体の合わせ目は特に目立つので、しっかりと処理しましょう。
流し込みタイプは乾燥が早いので、完全乾燥までには大体一日置いてください。
十分に乾燥後、表面をタミヤサンドペーパー(400~600番)で研磨。
すると、見事に合わせ目を消す事が出来ました。
場合によっては、うっすらと残る可能性もありますが、それほど大きく目立つわけでも無いので、これで良しとしましょう。
最初は上手く出来ないかもしれませんが、合わせ目消しが出来るようになれば、ワンランク上の製作が可能となります。
成型色仕上げのメリットは、「塗装が剥げない」、「失敗しても修正が容易」等、多くあるのが特徴です。
おまけに艶消しコーティングすれば、塗装したような質感になるので心配ご無用。
・胴体の関節補強
分解して気付いたのが、胴体のボールジョイント関節が、ねじりに対してかなり脆いということ。
発見した時にはねじ切れそうな状態でした。
ここは、真鍮線を埋め込み、関節強度を底上げします。
これで関節が破損する恐れは無くなりました。
首元のボールジョイントも、同様に改修しています。
・膝関節の改修
次に脚部の改修。
膝関節は二重関節で可動域は狭くはないものの、正直もう少し曲がって欲しいところ。
ですので、可動域を拡大して180°近く曲げられるよう改修します。
まずは動きに干渉するふくらはぎのアーマーに、切り込みを入れてクリアランスを確保。
赤線でマーカーした部分を切除します。
かなり解かりにくいマーカーで申し訳ありません。
つまりはこういうこと。
これで可動域は確保できました。
パーツの切断は、エッチングノコなりニッパーで切り出したら、やすりで形状と表面を整えましょう。
しかし、この段階ではまだ180°近い可動は実現出来ません。
今回は膝にさらにもう一軸関節を追加します。
画像のように、関節を固定するピンを切り落とし、代わりに真鍮線を差し込みます。
後は隙間をパテで埋め、硬化後にピンバイスで穴を空けて可動部を確保します。
緩い場合は軸径と軸穴の直径が合っていないので、緩い場合は瞬間接着剤で軸を太くします。
ほんの少し塗り付けるだけで良いでしょう。
これで膝は三重関節となり、一連の改修作業によって可動域は拡大。
比較として、右足が改修後、左足は無改造です。
可動域の広さは一目瞭然。
この方法でもう片足も改修します。
すると、このようになりました。
この改修によって、より女の子座りが自然になっただけでなく、ポージングにも幅が広がりました。
ここまでの改修で、少女本体の可動や外観も大分改善されました。
後は加工した箇所をサンドペーパーで整形し、傷を無くして形状を整えれば完了です。
ちなみに補足ですが、これは製品の完成度の問題ではありません。
筆者はレビュアーと同時にモデラーでもあるため、これは製品の出来の良し悪しを追及するのではなく、足りない部分は自分で補うことを信条としています。
同時に製品の持つ潜在的な魅力を引き出すことで、訪問されたユーザーの方々への購買意欲を刺激したり、改修工作のお役に立てれば本望です。
それが本職モデラー(?)のあるべき道だと考えます。
次回は塗装を交えて製作を進めていきます↓
それではみなさん。
楽しいホビーライフを。
青島文化教材社 VFG マクロスデルタ VF-31J ジークフリート 全高約155mm 色分け済みプラモデル MC-01
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