今年度はホビー業界に大きな攻勢を仕掛けている青島文化教材社。
VFGに続き、アオシマブランド「ACKS」から、「ゴジラ×メカゴジラ」からメカゴジラこと「3式機龍」がプラキット化。
まさに意表を突く製品ラインナップ。
それでは早速レビューへと参りましょう。
パッケージ
ゴジラファンには馴染み深い、西川 伸司さん描き下ろしパッケージ。
付属品一覧
最近はHGばかり組み立てていたので、久々に大物キットに出会った気分です。
相当な物量を誇り、組み立ては連続2時間半~3時間と長期戦は覚悟しておいた方がよろしいです。
今回は可動を妨げないように、軟質素材(ラバーパーツ)がふんだんに使用されています。
ハンドパーツはPVC製。
水転写デカールが一枚付属。
説明書の冊子に挟まっており、ポスターだと思っていましたが……。
塗装説明書でした。
MFS-3 3式機龍
「MFS-3 3式機龍」は、特生自衛隊(特自)によって運用される対ゴジラ兵器で、正式名称は「3式多目的戦闘システム」(Multi-purpose Fighting System-3)。
内部メインフレームには、房総半島沖に沈降していた初代ゴジラの骨格を用い、その過程で得られたDNAコンピューターを導入することで、従来の対G兵器では実現出来なかった、強大な生体兵器として建造することが可能となった。
装備は主にバックユニットから射出されるミサイル兵器、腕部に取り付けられた0式レールガン、口腔内の99式に連装メーサー砲等があるが、格闘性能にも優れ、ゴジラとの激しい肉弾戦でも互角以上に渡り合うことが可能。
胸部には「3式絶対零度砲 アブソリュート・ゼロ」が内蔵され、対象物を絶対零度(-273.15℃)まで完全凍結させ、微小な振動で崩壊させてしまうが、一度の発射でエネルギーの40%を消費するので、一度の出撃で使用出来るのは一回限り。
動力はバッテリーで、駆動可能な時間は約2時間程度。
戦闘中にエネルギーが底をついた場合、マイクロウェーブによる充電が可能で、支援戦闘機「しらさぎ」を経由してチャージし、戦闘を継続することが出来る。
遂に発売されたアオシマの隠し玉「ACKS 3式機龍」です。
この時をどんなに待っていたか。
全高約240mm、尻尾を含めれば全長400mm近い巨体はまさしく圧巻。
細部の情報量も膨大で、精密なディテールもこのキットの特徴。
造形もまさしく劇中そのもので、究極の3式機龍と呼んでも差支えない傑作。
組み立ても比較的簡単で、パーツ精度もVFG同様に高精度。
各関節にはポリキャップが使用され、関節の強度、保持力共に優秀。
各部のギミックも、差し替え等で再現されています。
頭部
頭部は劇中のデザインをリアルに3D化。
細部まで精巧に作られており、目はクリヤーパーツ成型で、裏側にもモールドが施されています。
首の関節を軟質素材が覆う方式で、広範囲の可動とディテールを両立。
ケーブルは束になったような緻密さを実現し、首の動きにも柔軟に対応。
但し、外装パーツはやや外れやすいです。
口は開閉可能。
内部の牙もシャープにに造形。
公式サイトの画像では口の開き具合がイマイチに感じたものの、実物は大きく口を開けることが可能。
口腔内には99式二連装メーサー砲を内蔵。
口の内部もメカニカルな印象。
首は複数のボールジョイントを連結させた多重関節で、非常に可動域が広いのが特徴。
この首の動きは、従来の三式機龍の立体物でもなし得なかった部分。
左右に首を振るのも問題なし。
但し、首を回しすぎるとケーブルパーツを損傷させる原因となりますので、取扱いには要注意。
首を左右に振ることも可能で、自由度はかなり優秀。
肩部
肩関節はボールジョイント接続で、動きも滑らかです。
自由度もそれなりに良好。
ショルダーアーマーが独立可動しますが、腕は水平まで上がりません。
それでも三式機龍としては、十分な可動範囲を確保しています。
腕部
腕の可動範囲は90°程
上腕はロール軸で水平可動。
手首はボールジョイント接続。
0式レールガンは、素組みでもほぼ色分け済み。
銃身はシャープで、設定デザインを忠実に立体化。
エネルギーケーブルは軟質パーツで接続。
かなり柔らかい材質なので、動きを阻害することはまずありません。
レールガンの銃身は差し替えで伸縮。
メーサーブレードも同様に差し替え展開。
銃身は小改造で伸縮ギミックを再現可能と思われます。
手首はPVC製ですが、爪等も鋭く造形化。
関節部のディテールも秀逸。
手のひらのモールドも非常に細かい印象。
腕は合わせ目が出てしまうのが欠点。
平手は二種類付属し、もう一方は少しだけ指が広がった形状ですが、ぱっと見ではあまり変わりません。
胴体
機能性やメカニカルなイメージと同時に、たくましさも併せ持つ胴体。
ディテールと可動を両立しており、このキットいおいても重要区画。
背部はバックユニットを装備で、力強い印象と武骨さを強調。
背ビレの造形もエッジの鋭い形状。
パーツ数は多いながら、密度感やディテールは文句の付けようがない程に優秀。
胸部のダクトはメッシュ状のディテールが配され、バンダイのプラキットに匹敵する高度な造形。
脇の下の左右のパイプはボールジョイントで可動し、胴体の動きを阻害しない構成。
腹部の蛇腹状のモールドは、人工筋肉のような柔軟さを感じさせ、同時に生体兵器としての性格を反映した無機質な外観。
胸部装甲は開閉可能で、機龍の切り札「3式絶対零度砲アブソリュート・ゼロ」も再現。
設定デザインに忠実な仕上がりで、細部まで精緻に表現。
胴体は左右へ旋回可能で、動きはかなり柔軟。
背部のパーツは動きに合わせて可動しますが、シルエットを崩す恐れも。
胴体は多重関節なため、思いの外大きなポーズを取れます。
反る、屈むといった動作も比較的容易。
バックユニットは細部まで細かく再現。
ロケット弾の砲口も造形化。
センサー類は色分けされておりませんので、塗装かデカールの貼り付けが必要。
ミサイルは弾頭が一体成型で再現。
ダクトは別パーツ。
ノズルも細部まで精密に立体化。
左右のロケット砲は上下に可動。
胴体の可動範囲の恩恵で、ガンキャノンのような砲撃姿勢を取ることも可能。
下半身
どっしりとした重量感のある下半身。
優美なラインと、硬質感を併せ持つデザインが特徴的。
股関節はボールジョイント接続。
開脚も画像が限界ながら、このデザインでは良く動く方です。
また、腰部のケーブルパーツは軟質素材なので、可動を妨げない方式。
関節周りや股下のディテールも秀逸。
下から見た時の巨大感もしっかりと再現。
大腿部は差し替え式ながらスラスターが展開。
スラスターは回転可動し、内部メカの表現も密度感のある仕上がり。
足はあまり上がりませんが、それでも必要十分な可動域。
膝の可動範囲は90°にも及びませんが、デザイン上の制約があるのは致し方なし。
膝アーマーはMGのように可動。
足首は怪獣らしさを感じさせるデザイン。
爪もシャープでエッジの利いた造形。
アンクルアーマーは可動し、中央に合わせ目あり。
足裏のモールドも精密に再現。
足首関節は球体関節で、可動域は中々のもの。
関節を引き出せば、左右への可動も良好。
前後への可動はそれなり。
全体的に接地性に優れ、自重を足と尻尾で支える分、抜群の安定性も発揮。
ふくらはぎのラインも美しく再現され、機龍の見所の一つ。
尻尾
尻尾は節事にボールジョイントを連結させた多重関節構造。
さらにジョイントを軟質素材が覆うことで、外観にも配慮した方式。
非常にフレキシブルな可動を誇り、外装にも可動箇所がある分、驚くほど柔軟に可動。
尻尾を内側に折り曲げることも可能。
可動域は極めて広いのですが、同じものを組み立てるため、かなりのパーツ数を誇ります。
組み立て箇所としては最も難易度が高く、ジョイントを軟質素材に包む方式なので、組み付けが若干厄介。
ガンプラの組み立てに慣れてしまったユーザーでは、ややハードルが高いです。
気になったのは、関節がやや抜けやすく、関節を太らせて少し渋めに調整する必要があるかもしれません。
対策としてオススメなのは、関節にパーマネントマットバーニッシュを流し込む方法。
高機動型
バックユニット及び、0式レールガンを外すことで高機動形態へ以降可能。
背ビレ部分(赤丸)を差し替えることで、両形態再現可能で、この辺りはSH.モンスターアーツと同様。
腕もレールガンとケーブルを取り外すことで、スッキリとした外観に。
背ビレは多くのパーツの集合体で、情報量や密度は圧倒的。
造形面でも非常に優秀。
背部スラスターはボールジョイント接続で、自在に可動。
オプション
オプションは主に差し替えパーツのみ。
目はクリヤーパーツを差し替えることで、暴走状態も再現。
通常の状態とは一味違う、凶暴性に満ちた表情。
サイズ比較
「1/144 RG ガンダム」との比較。
設定上ではビグ・ザム並みに巨大な三式機龍なので、本来はガンダムの三倍近い体高。
全高はMGサザビー等のような大型機に匹敵するサイズすが、スマートなシルエットなので、全体のボリューム感はそれ程大きく感じません。
その分、尻尾を含めた全長ではこちらの方が大きく上回ります。
「SH.モンスターアーツ」版との比較。
サイズは一回り程プラキット版が巨大。
造形面ではどちらも甲乙つけがたい高い完成度。
塗装を施していない分、質感はモンスターアーツに譲りますが、サイズや可動域はプラキット版の方が優秀。
アクション
ということで、「アオシマ ACKS 3式機龍」でした。
一言で言えば、中々のものでした。
青島文化教材社渾身の一作といった趣きで、全体のプロポーションやシルエットはまさしく劇中そのもののイメージ。
造形も細部まで行き届いた精緻なディテールが魅力で、可動域の広さでもSH.モンスターアーツに勝利。
ゲート痕も殆ど見えず、アンダーゲートも所々に採用されている等、VFG同様にユーザーに対する配慮も感じます。
ランナー構成も親切なので、組み立て自体はそれ程難しくありません。
所々パーツは外れやすい箇所はありますが、全体の印象としてはカッチリとした堅実な作り。
尻尾のジョイントは抜けやすいため、若干の改修や手入れは必要となるかもしれません。
ガンプラのような人型のような動きは出来ませんが、その迫力と野生的な存在感は真似できません。
筆者が今年組み立てたプラキットとしては、今のところ満足感が最も高いです。
勿論、三式機龍に対する思い入れが強いというのもありますが。
初心者向けではありませんが、中級者やヘビーユーザーにはオススメ出来ます。
今回は新たに始まった特集コーナーの第一回として取り扱っておりますので、併せてご覧いただければ、よりこの製品の魅力が伝わることと思います。
特集コーナー↓
「3式機龍 改」の詳細に関しては下記リンクよりどうぞ↓
それではみなさん。
楽しいホビーライフを。
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レビューお疲れ様です。
機龍カッコイイ!!
アオシマ製品は買ったことがなく、ちょっと高かったので迷っていましたが、一郎さんのレビュー見て即決しました!
アンギラス様
コメントありがとうございます♪
アオシマさんの三式機龍、侮れない完成度です!
私も今まではモンスターアーツ版こそ至高という見解でしたが、今回のプラキット版はその上を行く出来で正直驚愕致しました。
最近のアオシマさんは一味違いますね(笑)
私のレビューが何らかの形でお役に立てたのなら、とても光栄なことです。
これからもユーザーの皆様のお役に立てるような、ウェブサイトの構築を目指して行きたいと考えておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願い致します。