今回は、MODEROIDシリーズから「グレートゼオライマー」をご紹介。
OVAでは未登場に終わり、スパロボJにて鮮烈なデビューを飾った幻の機体がまさかの立体化。
それでは早速レビューへと参りましょう。
パッケージ
付属品一覧
ランナーは全一見多そうに見えますが、組み立ては比較的簡単。
完成まで連続2~3時間程度。
試作品では塗装だったコア等は、全てクリヤーパーツで再現。
シール
シールはマット調のマーキングシールが一枚付属。
ホイルシールと違い、シワになりにくく、艶消しの質感も良いので使い勝手良好。
グレートゼオライマー
ということで、「グレートゼオライマー」です。
天のゼオライマーに、残り全ての八卦ロボの能力をプラスした強化型で、デザイナーは「Ξガンダム」や「ペーネロペー」をデザインした森木兄貴。
ゼオライマーをベースに、他の八卦ロボを継ぎ足したようなデザインであり、まさに寄せ集め・・・ぼくのかんがえたさいきょうの(激寒)
只でさえ手の付けられない強さのゼオライマーに、これを全部組み込んだことで、文字通りチートを通り越して、この世に存在してはならないバランスブレイカー。
スパロボJでは、無改造でもこれ一機で攻略が可能と、イデオンやマジンガーZEROと並ぶ最強ユニットの一つ。
また、八卦がモチーフということで、「機動戦隊アイアンサーガ」のゲストメカとして参戦して猛威を振るう等、その圧倒的な戦闘能力は健在。
グランドジオウのように、恵まれた性能から出るクソみたいな戦績も叩き出さないので安心(風評被害)
キットは、そんなグレートゼオライマー初の可動式プラキットとして誕生し、その複雑極まりないデザインを巧みに立体化。
色分けもマルチカラーインジェクション成型に加え、シールや塗装済みパーツの併用により、ほぼ9割を再現するというこだわり。
ボリューム感溢れるプロポーションに加え、各部のシャープな造形、各種ギミックも再現される等、現状におけるグレートゼオライマーの決定版。
頭部
主役機としては珍しいモノアイ型フェイス。
キットはあまり丸みはなく、モノアイというよりはバイザー。
頭部は複雑な形状の割には、少ないパーツで構成されています。
しかしながら、合わせ目は大きく目立つのが欠点。
額のセンサーはメタリックグリーン、左右の耳のような部分は、フラットブラックで塗装済み。
首関節はダブルボールジョイント関節で、可動範囲はかなり広く取られています。
首を前後に動かすことも可能。
しかしながら、その起伏の激しい形状故に、首周りに大きく干渉。
一応真横は向けますが、頬のパーツが干渉します。
左右に首を振ることは、そこそこ可能。
前後には比較的良く動き、見下ろすようなアクションも可能。
肩部
肩は「火のブライスト」を彷彿とさせる形状。
枝分かれしたようなデザインで、この肩のおかげで全幅も全高(全高20cm)と同じくらいのボリューム。
肩は多重関節により、フレキシブルに可動。
しかしながら、可動域は広くはなく、巨大なショルダーアーマーに干渉しがち。
腕も水平まで上がりません。
しかしながら、次元連結砲の再現は可能なアクション性は備え、腕を振りかざすポージングは可能。
注意点として、肩関節は軸がねじ切れそうな程硬く、受け側を広げる等の加工が必要。
前後にはある程度可動し、必殺技の「烈メイオウ」を放つシーンは難なく再現可能。
腕部
腕はゼオライマーに準じたデザイン。
腕のブレード状の突起はさらに延長され、より迫力あるシルエットへ変化。
色分けも優秀で、一部シールを使う以外はほぼパーツ分割で再現。
肘関節は90°も可動しませんが、必要最低限のアクションは可能。
また、肘は内側にも曲げられ、弧を描くように可動。
これにより、パッケージイラストと同様にポージング出来ます。
加えて、肘を起点に回転可動。
手首の光球はクリヤーパーツで再現。
ハンドパーツは、キュベレイのように指の長い鋭い形状。
握り拳は、側面の造形が甘い以外は概ね良好。
胴体
非常に力強いシルエットの上半身。
複雑な形状ながらも、細部のディテール等も精密に造形化。
色分けもパーツ分割や、塗装済みパーツとシールによりほぼ完璧なまでに再現。
胸部のコアはクリヤーパーツ成型。
今回は、コアの裏側にシルバーを塗ることで、より煌めく仕様に。
胸部装甲の一部である突起は前後に可動。
極力、本体の動きを遮らない構造。
また、コア周辺のパーツも前後に可動。
若干、デザインが設定画と異なる部分ですが、気になるユーザー諸氏は改修も考慮したいところ。
今回、肩の一部はシールが剥がれやすかったので、同じフラットブラックで塗装。
マスキング塗装は難しくないので、一部は自ら塗装した方が無難。
胴体はボールジョイント接続。
可動範囲はお世辞にも広いとは言い難く、最低限のアクションに必要な自由度しか備えていません。
腰を捻る事はですが、一度胸部パーツを外して動かし、再度取り付けています。
そのままでは、ほぼ左右に動きません。
反る・屈むといった動きはあまり出来ず、少し動きを付けられる程度。
上半身を左右に振る事は可能。
背部のウイングは、「風のランスター」や「雷のオムザック」を想起させるデザインで、シャープな造形で再現。
側面のブルーのラインは塗装済み。
残念ながら、プロトンサンダーのギミックは省略されています。
各部関節が可動するので、ウイング自体はフレキシブルに可動。
前後にも大きく動き、飛行形態も再現可能。
気になる点として、ウイングがもう少し左右に開いてくれるとありがたかったところ。
フロントアーマーは「月のローズセラヴィー」を思わせる造形。
スカートパーツを始め、各部の黒いラインの一部はパーツ分割で再現され、何気にバンダイに猛追している画期的な部分。
リアアーマーも同様に、入り組んだ部分が色分けされているのが、塗装派にも嬉しいメリット。
この方式を積極的に採用すれば、色分けは大きく改善される筈です。
フロントアーマーは多重関節により、前後左右にフレキシブルに可動。
また、必殺技「Jカイザー」の再現のために、前後にも大きく動くよう配慮されています。
但し、一部関節が肩同様に硬く、ここばかりは加工が必要。
背部のユニットは着脱可能。
さらに、フロントアーマーを正面に向け、裏側のジョイントに背部ユニットをドッキングさせます。
これにより、ローズセラヴィーの必殺技「Jカイザー」を再現可能。
バランス的にも長すぎず、短すぎずと絶妙なスタイル。
(次元連結システムさえあれば)チャージなんか必要ねぇんだよ!
下半身
脚部のデザインはゼオライマーの名残りが残りつつも、よりマッシブな形状と化したデザイン。
色分けもパーツ分割、シールでほぼ完全な状態で再現。
後は、スミ入れ等をしてやればさらに完成度が高まります。
脚部の黒いライン等はパーツ分割で再現。
ふくらはぎ周りの黄色い部分はシールで再現。
股関節は軸関節を組み合わせた複合関節。
可動範囲は見た目以上に広く、可動時も丸みのあるデザインを崩さないのも強み。
膝関節は90°可動。
2重関節を採用したマジンカイザー等と比べれば、可動範囲は広いとは言えないものの、それでも十分な可動域。
脚部のミサイルポッドは開閉可能。
内部メカ等のディテールも精密に再現。
取り外し可能で、殆ど見えないような部分まで精緻なモールドが施されています。
弾頭一つ一つまで精密に立体化され、各部モールド緻密に施されているのが特徴。
ちなみに、このミサイルは全て核弾頭。
「山のバーストン」の計18発に対して、こちらは30発と増量。
必殺技「アトミック・クェイク」は大地震を起こした後に、敵に全ての核弾頭を撃ち込むという、この世の終わりのような攻撃手段。
核兵器の乱用は即刻中止せよ!
足首は長いヒールに加え、踵のデザインのおかげで安定性は高く、転倒しにくい仕様。
今回、脚部のイエローはシールで再現しますが、内側は曲面でどうしてもシワになってしまったので塗装で再現。
枠上のパーツを被せるので、多少はみ出しても大丈夫です。
つま先は独立可動。
アンクルアーマーも個別に可動します。
足首はボールジョイント関節で、接地性はそれなり。
仁王立ちしている分には、特にこれといった不満はなし。
ゴッドマーズ程でないにしろ、劇中・ゲームでも殆ど棒立ち状態なので気になりません。
足裏のモールドもつま先だけ緻密に再現。
他の部分ももっと頑張ってくれよ・・・(絶望)
比較
スーパーミニプラ「ビクトリーロボ」との比較
同じ50m級サイズでも、グレートゼオライマーの方が一回り以上大きく、圧倒的な存在感を放っています。
他のMODEROIDシリーズとの比較
本体のサイズだけ見れば、他と差ほどボリュームの差は無いものの、やはり機体面積が大きい分巨大に見えます。
ウイングの奥行きもあるため、尚更ボリューム感溢れるシルエット。
オプション
付属品は平手パーツのみ。
せめて、メガサーチャービーム再現用パーツがあれば、プレイバリューの面でも満足出来る代物でした。
ハンドパーツ
平手パーツはあまりに躍動感の無い造形で、もう少し動きを付けて欲しかったところ。
キットには背部、股下、足裏に3mmジョイントが存在するので、浮遊シーン等も再現。
一番オススメなのが背部への取り付け。
ディスプレイスタンドのアームが目立たず、重心も低めなので安定してディスプレイ可能。
アクション
「メイ!」
「オウ!!」
ということで、「グレートゼオライマー」でした。
現状において、唯一の可動出来るグレートゼオライマーの立体物としては、これ以上無い完成度を誇る傑作。
可動に関しては、一応最低限必要なアクションが可能な程度であり、現在のガンプラ程の自由度は備えていません。
しかしながら、森木兄貴による神々しいデザインにより、ネオグランゾン同様に立っているだけで絵になるロボ。
各部外装の可動の他、肘関節の自由度の高さ等、ユニークなギミックも多々導入される等、目を見張るものがあります。
色分けも、パーツ分割や塗装済みパーツにより巧みに再現しており、パーツ精度も大分改善され組み立て易くなっています。
しかしながら、スナップフィットとしては不完全な面も随所にあり、バンダイのようにしっかりとフィットしない部分も存在。
特に、ウイング等はパーツ精度にいささか問題を抱えている部位の一つ。
造形に関しては、ハウドラゴン同様に「立体の暴力」と形容すべきデザインながら、高度な造形・成型技術でこの障害をクリア。
欠点と言えば、一部関節が硬すぎて、破損のリスクを抱えている点。
POM素材特有のギシギシ音が鳴り響き、あまりスムーズに可動しません。
MODEROIDシリーズ共通の欠点はそのまま引き継いでいるため、多少は加工が必要。
一応、素材の特性上の音とはお触書があるものの、前科があるため素直に信じるのは若干不安(危険)
また、合わせ目がほぼ全身に出るので、塗装を考慮する場合は後ハメ加工等も要します。
場合によっては、ディテールアップとして合わせ目をモールド化しても良いでしょう。
個人的には、オプションの少なさも若干気になる点であり、付属品をもう少し足して充実させても良かったところ。
組み立てやすさ等は大分改善されたとは言え、ガンプラには優に及ばず、初心者にはあまり向いていません。
総評として、シリーズの欠点を把握した上で、適切な対処が可能な中級者以上向けのキットです。
しかしながら、それらの欠点を差し引いても、本体の出来は優秀であり、何より立体化に恵まれないグレートゼオライマーの立体物と言うだけでも満足。
個人的には、MODEROIDシリーズ随一の傑作だと感じます・・・単にゼオライマーがお気に入りなのも理由の一つですが。
これなら、他の八卦ロボも立体化して欲しいところ・・・せめてノーマルのゼオライマーだけでも製品化希望。
それではみなさん。
楽しいホビーライフを。
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はじめましてもしくはお久しぶりです度々閲覧させていただいています、冷水をかぶせるようですみませんが前回のワンフェスで知り合いがスタッフ(社長の父親さん)に今後の展開はどうなるかと尋ねてみましたら返事が「察して下さい」と返されたらしくシリーズの予定は無いようです本キットの売り上げによってはと後から言っておられたようですが可能性は低いみたいです、個人的には「月」くらいは出して欲しいところです。
ヒマ人2号
コメントありがとうございます♪
ご無沙汰しております。
>はじめましてもしくはお久しぶりです度々閲覧させていただいています、冷水をかぶせるようですみませんが前回のワンフェスで知り合いがスタッフ(社長の父親さん)に今後の展開はどうなるかと尋ねてみましたら返事が「察して下さい」と返されたらしくシリーズの予定は無いようです本キットの売り上げによってはと後から言っておられたようですが可能性は低いみたいです、個人的には「月」くらいは出して欲しいところです。
これはありがたい情報ですよ、やっぱりシリーズ化はダメみたいですね。
売り上げによっては・・・つまりは多々買いしろということですな。
パトレイバーがシリーズとして確立されるなら、ゼオライマーも期待してたのですが残念。
再投稿になります更に長文になります。
自分としてもシリーズは望んではいますが「天」と「月」なら一定数は売れるとは思いますが「山・地・水・火・風」になりますとMODEROIDの価格帯では少々割高感があるのとデザイン的も踏まえ通販で販売しても元は取れないと考えられます、「雷」仮には統一スケールにしたらとんでもサイズと価格になるから尚のこと無理なのでは無いでしょうか、今回質問してくれた友人は「それでも発売したら買う(積み)‼︎」と言っていましたけれど、まぁ1番の理由は作品自体がドマイナー過ぎることですけど。正直今回の「烈」の発売すら奇跡的ですし何年か前のWFで魔導合金でのサンプル発表以来(結果メーカー消滅によるお蔵となり)で「スパ超の天」発売後も期待しましたがシリーズ消滅で望みを絶たれ最早商品化は無いと思っていましたので今回のMODEROIDでの発売は感謝しきりでもあります。
自分としてはもしシリーズ化をしてくれるとしたら「スーパーミニプラ」なら可能性があるのではないかと考えています、むしろやってくれませんかB社のスーパーミニプラ担当さん。
返信ありがとうございます♪
>自分としてもシリーズは望んではいますが「天」と「月」なら一定数は売れるとは思いますが「山・地・水・火・風」になりますとMODEROIDの価格帯では少々割高感があるのとデザイン的も踏まえ通販で販売しても元は取れないと考えられます、「雷」仮には統一スケールにしたらとんでもサイズと価格になるから尚のこと無理なのでは無いでしょうか、今回質問してくれた友人は「それでも発売したら買う(積み)‼︎」と言っていましたけれど、まぁ1番の理由は作品自体がドマイナー過ぎることですけど。
ゼオライマーは比較的、立体化に恵まれてますので、グレートが立体化された時は驚きました。
他の八卦ロボもデザインはユニークなものの、やはり作品自体の知名度という問題が立ちはだかりますね。
>正直今回の「烈」の発売すら奇跡的ですし何年か前のWFで魔導合金でのサンプル発表以来(結果メーカー消滅によるお蔵となり)で「スパ超の天」発売後も期待しましたがシリーズ消滅で望みを絶たれ最早商品化は無いと思っていましたので今回のMODEROIDでの発売は感謝しきりでもあります。
あえてマイナーなグレートを商品化するという、グッドスマイルカンパニーのサービス精神には恐れ入ります。
>自分としてはもしシリーズ化をしてくれるとしたら「スーパーミニプラ」なら可能性があるのではないかと考えています、むしろやってくれませんかB社のスーパーミニプラ担当さん。
そう言えば電童がスーパーミニプラ化されたので、今のバンダイならあえてやりそうな気も・・・
アニメ化した時点で原作との違いにビックリした記憶が、あ、ちみもりを氏の原作(R-18)、所有しております
OVAはエロが無かったので全話見ていませんがw
この時期のメカの特徴ですね、鋭角なパーツが沢山有るのって
これを可動立体化したグッスマさんに拍手です
グッスマ繋がりでダグラムや、高橋監督繋がりでボトムズのキットレビューは望み薄ですかねぇ?
何某様
コメントありがとうございます♪
>アニメ化した時点で原作との違いにビックリした記憶が、あ、ちみもりを氏の原作(R-18)、所有しております
OVAはエロが無かったので全話見ていませんがw
私の場合はスパロボで初めて知って、OVAを視聴しました。
アダルト成分は一応はありますが、グロ・トラウマ要素の方が強いです(OVA3話)
ちみもりを氏が、後に「ガイバー」の高屋良樹氏だと知った時は驚きましたな~
>この時期のメカの特徴ですね、鋭角なパーツが沢山有るのって
これを可動立体化したグッスマさんに拍手です
森木デザインは、基本的にゼオライマーから始まり、Ξガンダムやペーネロペーにも反映され、異様に肥大化したボディラインが特徴的ですねぇ。
あえて、映像作品に出られなかったグレートを出すのが、開発陣の悲願の願いだった可能性が微レ存?
>グッスマ繋がりでダグラムや、高橋監督繋がりでボトムズのキットレビューは望み薄ですかねぇ?
勝手気ままな性格なので、基本的に何をレビューするかはその時の気分に左右されます・・・なのであまりご期待に添えない事が多いです。
モシャモシャセン!