バンダイ HGUC ガンダム試作2号機 レビュー

 

 今回のガンプラは「HGUC RX-78GP02A ガンダム試作2号機 サイサリス 」をご紹介。

 

 最近はROBOT魂版も発売されましたが、機体のボリュームと安価な点ではこちらに軍配が上がります。  

 

それでは早速レビューへと参りましょう。

 




 


パッケージ


   

 


付属品一覧


総パーツ数はHGとして多く、2時間程度で完成。  

 

一体成型パーツも多いので、組み立ても簡略化されています。  

 

ホイルシールは一枚付属。  

 

かなり貼る枚数が多いので、色分けはやや難あり。

 

 


RX-78GP02A ガンダム試作2号機


「RX-78GP02A ガンダム試作2号機」は、地球連邦軍の極秘プロジェクト「ガンダム開発」の一環で開発された試作MSである。  

 

開発はアナハイム・エレクトロニクス社が担い、設計は戦後に吸収合併されたジオニック社及びツィマッド社等の旧ジオン系技術者が多く携わっており、これまで連邦軍が開発・運用したガンダムタイプとは大きく異なる外観となっている。  

 

本機の特徴は、核弾頭の運用に特化していることで、戦略核兵器「MK-82」弾頭を搭載しており、その運用コンセプト故に全身が重装甲化している。  

 

これは、単なる装甲の対弾性向上のみならず、核兵器の発する膨大な熱線に対する堅固な防護システムの一つとして考案されたものであり、さらに装甲の上に耐熱コーティングを施すことで、機体とパイロットを保護する役割も持つが、実際には完全に相殺しきれなかったようである。  

 

この機体が核攻撃を目的として開発された背景として、ミノフスキー粒子の実用化が少なからず影響しており、核兵器を搭載した弾道ミサイルによる精密誘導兵器が無力化されたことで、核戦略の根本的見直しを迫られた点にある。  

 

無論、理由はそれだけに留まらず、旧ジオン公国軍に南極条約を無視して水爆ミサイルを使用されたという前例もあったため、抑止力と評してそれに対する報復措置としての側面も併せ持っている。    

 

そのため、本機は誘導に頼らず確実に目標を核兵器で殲滅可能な機動兵器として誕生し、同時に地球連邦政府の力を改めて誇示する目的もあったとされる。  

 

核攻撃を主目的としながらも、機体性能はあらゆる面で高水準であり、特に運動性に関しては、その鈍重な外観からは想像も付かない高い機動力を誇る。  

 

これは両肩のフレキシブル・スラスター・バインダー(FTB)の恩恵によるもので、機動性の大幅な向上のみならず、急激な方向転換をも可能にする等、その機動性は従来の重MSとは比較にならない領域に到達している。  

 

これは後に実用化された、ランダム・バインダーやフレキシブル・バインダー開発の基礎技術ともなっている。  

 

また、携帯しているシールドは防盾としてだけでなく、核兵器を使用した時に本機を保護する機能も両立しており、優れた耐衝撃性と冷却機能を搭載している。  

 

本機はトリントン基地にて、整備中のところを潜入に成功したアナベル・ガトー少佐によって奪取され、U.C.0083年11月10に行われた連邦軍の観艦式にて、皮肉にもその絶大な破壊力を彼ら自身が身を持って知ることになる。  

 

観艦式襲撃後、ガンダム試作1号機フルバーニアンとの戦闘で機体は喪失しているが、運用データを得るためにアナハイム社は同型機を少数量産化しており、それを元に「RMS-099 リック・ディアス」が開発された。  

ということで、「ガンダム試作2号機」です。  

 

発売が2006年ということで、現在では13年経過したキットとなっていますが、以前ご紹介させて頂いた「HGUC ドム・トローペン」よりは新しいので、まだマシに感じます。  

 

2号機特有の重量感溢れるフォルムは、劇中のイメージそのものという高い再現性に加え、細部のディテールやギミックも優秀。  

 

成型色は乳白色で、純粋なホワイトとは少し異なる色味。  

 

可動は時代相応で、デザインの影響もあってそれ程広くない上、当時のトレンドであったABS製樹脂を(悪い意味で)ふんだんに使っており、特にテンションの掛かる関節部に使われかなり厄介。  

 

その上、一部ポリキャップレスで破損しやすいのが欠点。  

 

今回ハンドパーツは市販のものに置き換えています・・・デフォルトだとあまりにも締りのない絵面だったので、やっぱり握り拳は大事なんすねぇ。  

 

いい加減「HGUC νガンダム」のように握り拳を標準装備してくれよな~、HGのガンプラで唯一の不満点ってそれ一。  

 

ホビージャパン立ち読みしてる時も、やっぱりハイディテールマニピュレーター(HDM)の重要性を改めて認識。    

 

 


頭部


他のガンダムタイプと比べても個性的なデザインの頭部。  

 

頭頂部はセンサー類ではなく、排熱ダクトになっているのも大きな特徴。  

 

悪役というよりは、デスティニーガンダムと同じくダークヒーロー的な顔付き。  

 

色分けもかなり健闘しており、合わせ目が目立つ部分は多めに見ます。  

 

首はボールジョイント関節で、可動域はかなり広め。  

 

横に首を振ると、顎に引っ掛かります。

 

側面を向くと、合わせ目が見えるのが弱点。  

 

また、首筋には内部メカディテールを精密に再現。    

 

 


肩部


両肩は巨大なフレキシブル・スラスター・バインダー(FTB)が独特のシルエットを形成。  

 

色分けは黄色いライン以外は分割されていますが、合わせ目が目立つ構成。  

 

実はこれを買うのは2度目で、再生産分は初回生産に比べて関節の保持力がスムーズになっている気がします。  

 

当時のものは製品段階でクリアランスが取れていなかったのか、バインダー自体が白化して亀裂が入る程に硬かった記憶があるゾ。  

 

バインダーは劇中同様に可動。  

 

6基のノズルは全てボールジョイント可動。  

 

細部のディテールも秀逸で、シリンダー部分等も造形化。

前後にも大きく可動し、腕の動きを阻害しない構造。

 

関節部はかなり保持力が硬いので、調整不可避。  

 

腕は一応、水平近くまで上がります。  

 

前方へもある程度可動。    

 

たまに間違えるユーザー諸氏も多そうですが、肩はナンバリングされたものが左です。    

 

 


腕部


図体の大きさに反し、腕は他の機体と大差ない細さ。  

 

シリンダー部分もリアルに立体化。  

 

肘関節の可動は90°程度  

 

手首は上下に大きくスイング可能で、バズーカを構えるポーズも自然に決まります。  

 

ただ、ボールジョイントが異様に硬く、ねじ切れないか不安な箇所の一つ。    

 

 


胴体


胴体は重MSらしいマッシブなスタイルで、円形のダクトが他のガンダムと違う造形。  

 

バックパックのバーニアは排され、核弾頭の搭載ユニットなっているのも他と異なるポイント。  

 

分離しているアトミックバズーカは、通常は右肩に懸架した状態。

 

バズーカのバレル内部も細かく再現。  

 

ここで注意点として、バズーカを保持する関節が破損しやすいので注意。  

 

腰部はボールジョイント関節で、左右に少し旋回出来る程度。  

 

前後には殆ど可動しません。    

 

 


下半身


ガンダム=スマートの常識を根底から打ち壊した巨大な脚部。  

 

設計に携わったジオン系技術者も、「ドムをガンダム風にしてみました」という趣向が反映されてそう(小並感)  

 

股関節はボールジョイント関節で、可動範囲はかなり狭いのが欠点。

 

 

スカートアーマーは、HG規格では珍しい独立可動タイプ。

 

 

膝は二重関節仕様ですが、ドム同様に可動域は制限されがち。  

 

加えて関節が硬めなので、受け側を広げておくとスムーズに入ります。  

 

足首はボールジョイント関節ながら、接地性は高め。

 

 

アンクルアーマーは独立可動。

 

  接地面積はあのドムすら上回り、安定性も他を凌駕。  

 

前後にもある程度可動しますが、高いアクション性は望めません。

 

足裏のディテールも 肉抜き穴も無いのが強み。  

 

個人的に気になる点として、裾の内側がサッパリし過ぎなため、改修時には何かしらディテールアップを施したいところ。

 

 

 


比較


「HGUC ドム・トローペン」と比較。  

 

ドム・トローペンも相当な重量級ですが、2号機はそれをさらに凌ぐ機体面積。  

 

しかしながら、2号機はその重々しい外見とは裏腹に、設定上では本体重量54.5tと、ザクⅡの本体重量56.2tよりも軽量。  

 

装甲材質でここまで軽く出来るもんなんすねぇ・・・はえ^~すっごい技術革新。    

 

トリントン基地襲撃トリオ。

 

RGシリーズの長男と。

 

ゼフィランサスのディテールを一部省略して、サイサリスのディテールアップすることで、両者の違和感を消す改修を予定。

 

家族写真。

 

1/144スケールとはいえ、三兄弟を揃えるのは中々容易ではありません。

 

 


オプション


付属品は少な目ですが、どれも巨大なためボリューム感は良好。

 

 専用のディスプレイスタンドもあり、総合的に見れば価格相応。

 

ビーム・サーベル  

 

ビーム刃はUC系では珍しいクリヤーグリーン成型。

 

他のシリーズよりやや長めで、劇中でも出力を上げれば大型化していたので、そのシーンを反映したものと思われます。

 

 

2号機のサーベルは腰部に収納。

 

 

シールド  

 

とにかくサイズと厚みが、既存のものとは比較にならないレベルの巨大な盾。  

 

一体成型なので、ヒケもかなり目立つのがマイナス点・・・というより一体成型の宿命。  

 

本体にもかなりヒケがあるので、「HGUC アッガイ」と同じく塗装時はヒケの処理を念頭に置きたいところ。  

バレル部分は分離してシールド裏に収納可能。  

 

また、シールド自体がそれなりに重量があり、ハンドパーツも上手く保持出来ていない感あり。  

 

じゃけん接着しましょうね~(自己責任)  

 

アトミック・バズーカ  

 

2号機を2号機たらしめる究極の極殺兵器。  

 

本編のみならず、「VSシリーズ」「バトルシリーズ」「スパロボ」といったゲームでも、敵味方巻き込む無差別大量破壊兵器と化し、多くのプレイヤーからも畏怖されたトラウマ兵装。  

 

「VSシリーズ」ではダウンを奪われた隙に、核バズを撃ち込まれるとハメ殺されます。  

 

ターゲットスコープは引き出し式。  

 

ここもかなり動きが硬いのが特徴。  

 

ディスプレイスタンド  

 

ディスプレイスタンドは専用のものが用意されており、別売の「試作1号機 フルバーニアン」と対決シーンも再現可能。    

 

 


アクション


ということで、「HGUC ガンダム試作2号機」でした。  

 

2号機ならではの重量感溢れるプロポーションをリアルに3D化しており、各種ギミックも設定通り再現。  

 

各部ディテールも精密に造形化され、色分けに関しては黄色い部分以外分割。  

 

反面、関節がABS樹脂メインなので、塗装が難しいのが欠点。  

 

加えて、関節の保持力が異様に硬い部分もあり、再生産されていささか改善されたようですが、それでも関節部(主にバズーカ接続部は破損防止のために加工が必要。  

 

総括すると、キットのボリュームは見事ながら、完成度はそれなりといった印象で、良くも悪くも中途半端な仕様。  

 

多少手を加えて、ようやくまともな状態に出来るという印象で、取り扱いが少々ピーキーなガンプラ。  

 

素組みに部分塗装なら多少はなんとかなりますが、ヒケや合わせ目処理まで含めた塗装作業はかなり難易度が高め。  

 

その上、マスキング塗装の必要な箇所も多々あり、熟練を要するキットと言えます。  

 

ABS樹脂自体への塗装は、的確なやり方さえ行えば可能で、その場合はエアブラシによる塗装がオススメ。  

 

肝心なのは乾燥時間で、薄く吹き付ける→乾燥→薄く吹き付ける→乾燥を繰り返せば問題ありませんが、事前にサーフェイサーでコーティングしておくとより安心。

 

  塗料の乾燥が早ければ早い程、ABSの破損リスクが減ります。  

 

逆に表面がしっとりするくらいに吹き付けると、溶剤がパーツに染み込んでクラックが発生して砕け散ります・・・特にラッカー塗料やエナメル塗料の直塗りは厳禁。

 

  取扱説明書通り、水性塗料を使った方がリスクが低いので、特にこだわりがなければそちらを推奨。

 

それではみなさん。  

 

楽しいホビーライフを。  

 

 

 


オススメ記事


バンダイ RG ガンダム試作1号機 ゼフィランサス レビュー

バンダイ HGUC ガンダム試作3号機 デンドロビウム レビュー

バンダイ HGUC RGM-79C ジム改 レビュー

バンダイ ROBOT魂 <SIDE MS> YMS-16M ザメル ver. A.N.I.M.E. レビュー

バンダイ HGUC ドム・トローペン レビュー

バンダイ HGUC ドラッツェ レビュー

 

 


関連商品


HGUC 1/144 RX-78GP01 ガンダムGP01 ゼフィランサス (機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

HGUC 1/144 RX-78GP01Fb ガンダムGP01Fb フルバーニアン (機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

HGUC 1/144 MS-06F-2 ザクII F2型 連邦軍仕様 (機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

HGUC 1/144 MS-06F-2 ザクII F2型 ジオン軍仕様 (機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

HGUC 1/144 MS-09F ドムトローペン (機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

HGUC 1/144 MS-09F ドムトローペン サンドブラウン (機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

HGUC 1/144 MS-21C ドラッツェ (機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

HGUC 1/144 MS-09R-2 リック・ドムII (機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争)  

 


6件のコメント

  1. お疲れ様です!

    もう処分しましたが、今見るとやっぱ色分け足んねぇよなぁ

    しかしデンドロ出したんなら責任もってHGUCノイエジールも出して欲しいところっすね

    花の名前繋がりで桜ミクでも買おうかな~俺もな~
    通常版のICR兄貴のレビューみたら中々良さそうだし(エロ目線)

    1. MIR兄貴

      コメントアリシャス!

      色分けは少し残念ですが、特に黄色が足んねぇよなぁ?

      ノイエ・ジールがHGUC化したら、ネオ・ジオング並みに大きすぎるッピ!

      大きすぎてこんなの部屋に入らないみたい!

      ブキヤ製ミクは特典パーツが、スティ子と同じクリヤー成型の髪の毛パーツで欲しかったんだよなぁ・・・

      レビュー見てくれてありがとナス!

      (うちは桜ミクの購入予定は)ないです。

      あ、そうだ(唐突)

      ダークアドヴェント第二弾が遂に予約解禁されましたねぇ・・・早速予約したゾ。

  2. オッツオッツ!

    ダークアドヴェント・ラーニア来年8月ですか~(情報ありがとナス)

    ワシも早速、ソフィアより見た目が好みなんで予約したんや
    清楚な顔にワガママボディー
    あぁ^~たまらねぇぜ

    もちろんDXですが、やわらか胸パーツ(哲学)とは一体?

    1. 返信ありがとナス!

      朝一の返信で失礼するゾ~(謝罪)

      ラーニアはDX版の特典パーツが、ソフィアより豪勢でいいぞ~コレ!

      MIR兄貴DX版買ったのか・・・俺もソーナノ。

      厳密には通常版とスペシャル版を同時に買って、レビュー時にいかん・・・いかん! 危ない危ない危ない・・・パーツは除きます。

      Google兄貴と自称健全兄貴には刺激が強すぎるので、多少はね?

      来年の夏までにはソフィアも塗装しなきゃ(使命感)

      >やわらか胸パーツ(哲学)とは一体?
      すごくいやらしいパーツだよ。

      何でガンプラと関係ない話してるんですかねぇ(正論)

  3. これまたイジり甲斐のありそうなキットですね!
    MGと比べて顔とかのバランスがかなり違いますけど、
    好みの問題なんでしょうか。
    私はMGの方がスキです。

    1. リヨウシツタマ様

      コメントありがとうございます♪

      造形は良いので、後は関節を一部新造すると良いかもしれません。

      MGはかなりスマートなシルエットなので、それもまたアリだと思います♪

      HGUC版は全体的に重量感溢れるプロポーションなので、お好きな方をチョイスして良いでしょう。

boso-ichiro へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です