コトブキヤ 1/100 HBV-502-H ライデン(DNA SIDE) レビュー

 

今回は密かにブームが来ているバーチャロンより、かつてコトブキヤから発売されたバーチャロイド(以下VR)「HBV-502-H ライデン」をご紹介。

 

一時期はシリーズとして続々と立体化されていたシリーズでしたが、今ではその音沙汰すら聞こえなくなり、完全に終了したとの見方も……。

 

しかしながら、メダロットシリーズ同様に密かに開発が続けけられてる可能性も否定できないかもしれない……。

 

それでは、早速レビューへと参りましょう。

 




 


パッケージ


 

 


付属品一覧


ランナー枚数は桁違いに多く、並みのMGすら大きく凌駕する数量。

 

しかしながら、組み立てそのものは比較的簡単で、ランナー配置も親切設計なので組み立てが長時間となるのが唯一の欠点。

 

仮組みだけでも4~5時間程度は掛かります。

 

 


テーマ曲


 


HBV-502-H ライデン


「HBV-502-H ライデン」は、第5プラント「デッドリー・ダッドリー(DD-05)」が開発した第二世代VRで、かつてDN社で最初の重戦闘VR「HBV-05-E ライデン」を生み出したスタッフの手で開発された高性能光学兵器装備重攻機体である。

 

第8プラント「フレッシュ・リフォー(FR-08)」のVR開発禁止命令が公布されている中での強行開発であったが、「DD-05」の規模が極めて小さいことが幸いし、「FR-08」も「DD-05」を特に脅威と見ていなかった。

 

しかしながら、DNAと敵対する軍事組織「RNA」の第二世代VRの前では、旧式化した第一世代機では全く歯が立たず、窮地に立たされた「FR-08」に対して真っ先に売り込みをかけたのが「DD-05」であり、提供したVRこそが伝説として名を残した名機「ライデン」の後継機たる「HBV-502-H」であった。

 

本機は、初代ライデンと同様のコンセプトを継承して開発されているものの、技術革新によって大きく多機能化していながら、強大な戦闘能力を保持しており、「繊細さ」と「大胆さ」を兼ね備えていた芸術品とまで呼ばれていた。

 

ライデンの代名詞とも言える両肩の高出力レーザーユニットは、砲撃形態の「バイナリー・ロータス」、近接格闘形態の「フラグメント・クロー」への変形を可能とし、圧倒的な火力と格闘能力を本機に付与している。

 

加えて「Zig-13」を発展させた「Vig-18 バズーカ・ランチャー」、複合兵装「グランドナパーム」の装備により、あらゆる距離に対応出来る高い汎用性すら持っていた。

 

さらに驚くべきは、機体の心臓部とも言えるVコンバータの存在であり、他機の倍近い高出力と頑強なスケルトンシステムにより、堅牢な重装甲で身を固めながら、機動性でも他機に全く遅れを取らないという凄まじいものであった。

 

その後、正式採用された本機の活躍は目覚ましいものがあり、かつての初代ライデン同様に猛威を奮っていたが、強みであった多機能化の影響で、整備性が著しく低下しているだけでなく、生産元である「DD-05」の壊滅により一時は供給がストップし、またも生産数の少ない希少な機種となってしまったのだ。

 

しかしながら、「DD-05」とライバル関係にあった第3プラント「ムーニー・バレー(MV-03)」がその生産ラインを速やかに接収・継承したため、晴れて生産が再会されることとなった。

 

ということで、ライデンです。

 

この機体はシリーズ第二作「オラトリオ・タングラム」に登場する二代目ライデンであり、前作の黒一色の地味な印象を微塵も感じさせない、複雑なデザインと派手なカラーリングが特徴で、この真紅の配色はDNAサイド。

 

この配色はどちらかと言えば、前作の2Pカラーに近いもので、反対にRNAカラーは1Pカラーを彷彿とさせるカラーリング。

 

初代が最弱とまで呼ばれたのに対し、この二代目はゲーム内において総合性能では最強とまで目され、多彩な攻撃手段と絶大な火力により、一躍トップの座に躍り出ることとなったのは有名。

 

オラタン時代、当時小学生の筆者の頼れる相棒こそがこのライデンであり、XBLA版でも良く使っていましたが、今ではすっかりグリス・ボックに乗り換えてしまったのは悲しなぁ……。

 

キットはコトブキヤから10年近く前に発売されたシリーズ第一弾であり、立体化に恵まれない重量級を最初に製品化してくれたのは嬉しいところ。

 

SEGAから提供されたハイエンドCGを忠実に反映し、当時最先端の3D-CADによる精密な造形はまさしく本物そのもの。

 

重量感溢れるスタイリングもリアルに立体化され、コトブキヤが誇る怒涛のパーツ分割によって、その複雑なデザインや配色もほぼ色分け済み。

 

センサー類も全てクリヤーパーツが使用され、差し替えながらもバイナリー・ロータスも再現可能と至れり尽くせりな内容。

 

可動に関しては極々標準的で、近年のMGのような柔軟な可動は不可能で、ゲームでの躍動的な動きを再現したいなら、関節部の改修等も必要に。

 

また、価格も税込7,140円と高額なうえ、現在では生産が打ち切られているようなので、通販等では通常価格より高値が付いてしまいがちなのも痛いところ。

 

また、とっくにご承知のことと思いますが、「アーマーブレイク」ギミックは再現されていないので悪しからず。

 

 


頭部


VRならではのバイザーで覆われた頭部は、その複雑な形状を細部まで緻密に造形化。

センサー部分はクリヤーパーツで、この状態でもかなり細分化されたパーツ構成。

 

関節はボールジョイント接続で、流石にガンプラ程の可動域は望めません。

 

特に両肩部分に接触しがちなため、首の自由度はやや低め。

 

 


肩部


巨大な肩は差し替えの関係で、簡易的な内部フレームも採用され、一部に内部メカを再現。

 

ボールジョイント接続で、中々柔軟に可動しますが、若干ヘタリ等の保持力低下も懸念されます。

 

腕は水平近くまで上がり、一部パーツは可動を妨げない方式。

 

 


腕部


全体的にドッシリした四肢ながら、二の腕だけはやたら細い腕部。

 

肘関節は伸縮ギミックを内蔵し、引き出すことで腕の可動範囲を多少拡大可能。

 

肘関節は90°程度可動。

 

マニピュレータはハイディテール仕様で、握り拳と平手の二種が付属。

 

 


胴体


逞しい上半身ながら、驚く程くびれたウエストが特徴的。

 

情報量の密度も膨大で、色分けも執念で細部まで再現。

 

センサー類はクリヤーパーツで再現。

 

腰部はボールジョイント接続で、腰を少し捻ることが可能。

 

あまり仰け反ったりは出来ません。

 

関節部のディテール等も精密に再現。

 

背部は四基のダクトが突出した独特のデザイン。

 

 

Vコンバータは開閉可能で、内部はクリヤーパーツ。

 

カバーは「ドリームキャスト」「セガサターン」の二種が付属。

 

ディスク部分は、カバーに挟み込んで固定。

 

股下にはノズル等が精密に再現。

 

 


下半身


脚部は重量感のあるフォルムながら、細部まで分割されているので色分けも問題無し。

 

 

下半身にもクリヤーパーツをふんだんに使用。

 

 

股関節周りは内部メカ等も再現され

 

関節はボールジョイント接続で、可動範囲はそれほど広くありません。

 

 

膝関節は二重関節ながら、デザインの関係で90°程度しか可動しません。

 

膝関節はメカニカルに造形。

 

足首やつま先の色分けもほぼ完遂。

 

塗装はしやすいものの、パーツが非常に細かいため、紛失には要注意。

 

また、一部ハメ合わせが悪いパーツもあり、調整にも若干手間取ります。

 

足首関節は、メカニカルな造形で再現。

 

足首関節は軸関節とボールジョイントの組み合わせで、大して可動域も広くないので接地性は今一つ。

 

安定性は高いものの、モーメントの関係上、トップヘビーなので転倒しやすいのもゲームの設定通り。

 

 


サイズ比較


ボークスの同スケール「テムジン707」と揃い踏み。

 

標準クラスの機体と並べると、重戦闘機体ならではの大型サイズ。

 

プロポーションも全く異なり、まるで優男とプロレスラーの如く異なる体躯。

 

腕の大きさから漂う強者の風格(強いとは言っていない)

 

胴体のサイズは大差ない反面、四肢のリーチは別物。

 




 


オプション


装備は「Zig-18 バズーカ・ランチャー」が一基、「バイナリー・ロータス」差し替え用パーツが二基付属。

 

 

巨大なバズーカ・ランチャーは、単色成型ながらも各部ディテールを精密に再現。

 

センサーはクリヤーパーツ。

 

マズル部分は開口されていないので、よりリアリティを追及するなら加工が必要。

 

造形だけでなく、ボリュームも申し分ないものの、バズーカを構えるには肘関節の保持力が完全に不足。

 

バイナリー・ロータスは、肩を丸ごと換装する豪快な仕様。

 

差し替えにシフトしたことで極めて優秀な造形とディテールを両立。

 

色分け等もこの時点で概ね良好。

 

各部ディテールはハイエンドCGを忠実に再現。

 

パラボナの裏側は、見えにく部分まで緻密に造形化。

 

細かなケーブル等も別パーツ。

 

 

 

パラボナの表面は微細なモールドを再現。

 

レーザーユニットは各部ディテールを緻密に造形化。

 

フラグメント・クローは、同シリーズの「RNAカラー」に付属しており、二体揃えることで両形態を再現可能。

 

 


アクション


ということで、「コトブキヤ ライデン」でした。

 

デザインの高度な再現性は見事ながら、恐ろしいまでのパーツ分割やクリヤーパーツ使用による質感再現も見所。

 

加えて、細かく分割されている分、塗装も非常に楽なパーツ構成なので、複雑な設定配色のオラタン勢にはまさにもってこいの仕様。

 

1/100スケールという関係上、キットのボリューム感も申し分無く、迫力や精密なディテールも他の追随を許さない反面、可動範囲はそれ程広くないので、ダイナミックなアクションは不可能。

 

また、保持力も若干頼りなく、バズーカ・ランチャーを持つと右側にやや傾くのが気になるところで、主な改修点を提示するなら、関節の保持力強化と、可動範囲拡大が主な改修部分。

 

特に自由度の低い股関節と、足首関節の構造を見直すことで、よりダイナミックなアクションが可能となる筈なので、その辺りから手を付けていくことが良いかと。

 

といっても、大型サイズで立体化されること自体に価値があると言っても過言ではありませんので、バーチャロンファンは手元に置いておいては如何でしょうか?

 

それを除けば総合的な完成度は非常に優秀なので、関節の改修が出来れば推し進め、今後は塗装を見越した改修を行っていきます。

 

コトブキヤは頼むから再びシリーズを再開してくれ、FAGやメガミデバイスで潤ってるんだからさ、頼むよ~(懇願)

 

それではみなさん。

 

楽しいホビーライフを。

 



コトブキヤ 電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ライデン DNA SIDE 1/100スケールプラスチックキット


 

 


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