コトブキヤ ゼノサーガⅢ KOS-MOS Ver.4 レビュー


 

今回は、当ウェブサイトでも精力的に取り上げている「フレームアームズ・ガール」、「メガミデバイス」に先駆け、現在の美少女プラキットの雛形になったとも言えるコトブキヤ製「KOS-MOS Ver.4」をご紹介。

 

他社よりも、いち早く美少女プラキットという分野で、独自の製品開発を推し進めたコトブキヤだけに、同社の主力商品でもある彩色済みPVCフィギュアのノウハウを反映させた意欲的な製品内容となっています。

 

それでは早速レビューへと参りましょう。

 

 


パッケージ


 

 


付属品一覧


パーツ総数はメガミデバイス等に匹敵する量。

 

組み立て所要時間は2時間程度。

 

彩色済みパーツは、現行ののアイテムラインよりも多く、明らかに手間が掛かっている印象。

 

フェイスパーツは全4種付属。

 

アイプリントは精密に処理されていますが、口元まではプリントされておらず。

 

水転写デカールは、瞳やレース模様が中心。

 

 


KOS-MOS Ver.4


ということで、ヴェクター・インダストリー製、対グノーシス専用人型掃討兵器『KOS-MOS』です。

 

ちなみに、KOS-MOSはKosmos Obey Strategical Multiple Operation Systemの略称で、『秩序に従属する戦略的多目的制御体系』の意。

 

さらに言うなら、KOS-MOS個人の正式名称は『対グノーシス用人型掃討兵器KP-X シリアルNo.000000001』となりますが、作品を知っているユーザー諸氏には、最早ご説明不要と存じ上げます。

 

2012年に発売され、実に7年近く前の製品ですが、その美麗な外観はまさしくKOS-MOSそのもの。

 

キットは特に人気の高い「Ver.4」のデザインで製品化され、繊細さと美しさを兼ね備えた造形とディテールを、高いレベルで再現しているのが特徴。

 

ちなみに、邪神でお馴染みの「Ver.2」は風評被害からかあまり立体化されておらず、KOS-MOS=モッコスという図式は彼女の尊厳を著しく傷付けるので、訴訟も辞さない。

 

無論、キットは邪神どころか女神とも形容出来る美しい姿で立体化。

 

肌は艶消しコート済み、髪の毛(頭部全て)はクリヤーパーツがふんだんに使用され、多数の彩色済みパーツが同梱される等、現在のフレームアームズ・ガール(FAG)や、メガミデバイスの基本フォーマットはこの時点で確立したと言っても過言ではなく、まさに現在のコトブキヤの美少女プラキット(フィギュアプラキット)の始祖とも言える存在。

 

とは言え、さらに遡るなら同社製品である「ホイホイさん」や、「ヴァルシオーネ」「レイキャシール」という先輩方もいますが、細かいところまで掘り下げると、色々とややこしくなるので、あくまで一般的なイメージということで、ご理解頂ければ幸いです。

 

色分けもかなり細かく分割され、塗装済みパーツと相まって素組みでもイメージは上々ながら、パーツの外れ安さが気になるところ。

 

また、優秀な造形に反し、関節の保持力に大きな難があり、補強無しではまともにブンドド出来ない程。

 

最も有効な手段として、関節部にパーマネントマットバーニッシュを塗り込むのが簡単かつ最善の方法。

 

 


頭部


ボリュームある髪型が特徴的な頭部。

 

フェイスパーツはCHOCO先生のデザインを忠実に再現しており、邪神とは似ても似つかないの美人顔。

 

アイプリントも精密に処理されていますが、現行のアイテムラインのように口元の線まではタンポ印刷されていません。

 

今回は色鉛筆の尖端を極限まで尖らせ、溝に沿ってなぞる方法で彩色。

 

リアルタッチマーカー等よりもシャープな線が引け、はみ出しても消しゴムで消せるので安心。

 

頭部の構成として、フェイスパーツイヤレシーバー以外は、全てクリヤーパーツで成型されており、非常に美しい仕上がり。

 

ロングヘアーも流れるような流麗な造形で、基部はボールジョイントで可動。

 

ご覧の通り、関節部までクリヤーパーツ成型ということで、強度面ではいささか心細いです。

 

また、かなりの重量なので、首の関節に掛かる負担も大きめ。

 

加えて、ゲート痕が目立ちやすいので、ゲートを余分に切ったら、細切れにするように切った方が白化しにくいので推奨。

 

特に用心したいのが、クリヤーパーツの内部白化で、元に戻すのには高い工作技術を必要とするので、ゲート痕処理等でも注意したい所。

 

キットには青い瞳のフェイスパーツが付属。

 

通常時と違い、やや穏やかな印象に変化。

 

また、左右で視線の異なるフェイスパーツが付属しており、様々なポージングにも対応可能。

 

左目線。

 

右目線。

 

 


肩部


肩関節の構造そのものは、FAGやメガミデバイスに近い構成。

 

マシニーカのように、肩甲骨が可動するといった柔軟性こそ無いものの、取り外し可能でメンテナンス性も優秀。

 

ショルダーアーマーはシャープな造形で、クリヤーパーツの使用等、色分けに関しても問題無し。

 

但し、パーツが分解しやすいので、塗装をしないなら接着した方が無難。

 

 


腕部


華奢な腕部は、多色成型で細部まで色分け済み。

 

手首周りのアームカバーもシャープに造形され、ショルダーアーマー同様にクリヤーパーツを使用。

 

しかしながら、金色及び黒色のパーツは取れやすいので、接着が必要。

 

ハンドパーツはPVC製。

 

肘関節は90°以上可動。

 

 


胴体


胴体はその複雑なデザインを精緻に再現。

 

胸部は肌と衣服を、それぞれ別パーツで構成し、金色と紫色の部分は塗装済み。

 

胸周りのパーツは外れやすく、動かす時にポロポロと取れてしまうのが弱点。

 

白いワンピースは細部のシワまでリアルに表現。

 

胴体は胸部直下で可動し、ダブルボールジョイント接続。

 

左右への捻りはそれなりで、デザイン上の欠点で各部の接触箇所が多め。

 

反ることは可能ですが、屈むような動きは不可能。

 

タイトなミニスカートは、柔らかな質感で表現。

 

スカートそのものはプラスチック製で、多少前後に動くものの、足に接触するので大胆なアクションを行うには不向き。

 

スカートは取り外し可能で、腹部の内部メカや下着まで再現。

 

このメーカーおかしい…(小声)

 

 


下半身


脚部は左右非対称という独特のデザイン。

 

関節はシームレスタイプで、極力継ぎ目が目立たない構成。

 

股関節はボールジョイント接続で、サイドアーマーやミニスカートに干渉するので、可動域はそれ程広くありません。

 

ガーターベルトは別パーツ化され、大腿部はニーソックスとの境目でロール可動。

 

レースのギザギザ等、細部まで緻密に表現。

 

腰周りのサイドアーマーは、多重関節でフレキシブルに可動。

 

脚部は基本的には挟み込みタイプなので、足のど真ん中に合わせ目が発生。

 

膝は二重関節なものの、最大でも90°より少し曲がる程度。

 

加えて、膝の保持力が心もとないので、必ず補強しておきたい部分。

 

膝裏等、細かなパーツ分割やディテールは秀逸。

 

足首はヒール状で、ダブルボールジョイントで可動域は見た目に反し優秀。

 

しかし、接地面積がほとんど皆無に等しく、自立性に関しては期待できず。

 

つま先はボールジョイント接続で、上下左右に可動。

 

 


比較


全高は16~7cm程度で、FAGやメガミとほとんど大差なし。

 

但し、他のシリーズより小顔なので、頭身は全く異なります。

 

 


オプション


主にゲーム内で使用する武器ほぼ全てが付属し、豊富なオプションもこのキットの魅力。

 

ファティマ・グラス

 

額のセンサーはクリヤーグリーンで塗装済み。

 

製品で特に細かな彩色が施され、塗装面の美しさが魅力。

 

ハンドガン

 

使用頻度の高いハンドガンは、小サイズながらも巧みに立体化。

銃身は可動式。

 

ドラゴントゥース

 

ドラゴントゥースは、クリヤーパーツ製のブレード部分を取り付け可能。

 

ハンドバルカン

 

KOS-MOSの代名詞的存在の三連式バルカン砲は、シャープかつメカニカルに造形。

 

但し、極力軽量化されていると言え、キットのしなやかな腕では到底保持出来るものではありませんので、何かしら支えを用意してあげた方が無難。

 

単色成型なので、塗装時はマスキング塗装が不可欠なものの、意外にも細かくパーツ分けされているので、初心者でもなければそこまで難しくありません。

 

また、ハンドバルカン対応のマガジンも付属。

 

ボリューム感溢れる形状ながら、さらに重量が嵩むので、そのままでは持ち上げることすら不可能に近い状態。

 

D・TENERITAS

 

胸部のパーツがクローのように展開した「D・TENERITAS(相転移砲)」は、胸部を丸ごと換装。

 

肌と衣服はそれぞれ別パーツ化。

 

爪部分が単色成型なので、気になる場合は塗装は必至。

 

 


アクション


 

 

ということで、「KOS-MOS Ver.4」でした。

 

今回も画像過多になってしまいましたが、それくらい繊細かつ惹きつけられる魅力があります。

 

コトブキヤの主力商品である美少女プラキットとして、シャープな立体形状や精密なディテール、加えて柔らかなボディラインの造形等は相変わらず特筆すべきものあり。

 

各部のエッジの鋭さも抜群で、全体的に刺々しいデザインを巧みに立体化。

 

加えて、クリヤーパーツを効果的に使用したり、肌の艶消し処理、塗装済みパーツの同梱と、現在のブキヤ製品フォーマットを導入した意欲的な製品内容。

 

しかしながら、一部パーツ精度は悪く、特に細かいパーツは外れやすいのが欠点なので、素組み前提なら接着推奨。

 

また、ほぼ全ての関節の保持力が低いので、組み立てと同時に木工ボンドパーマネントマットバーニッシュで補強した方が無難。

 

とは言え、保持力を除けば完成度は高いので、腕に覚えのあるユーザー諸氏は是非とも手に取って頂きたい逸品と断言出来ます。

 

総合的に見て、パラメーターの殆どを造形に振り切っており、いかにも当時のコトブキヤらしい意欲的なチャレンジ精神が垣間見え、そのノウハウは現在のFAGやメガミデバイスに確実に反映されていると感じ取る事が出来ます。

 

初心者向けではないものの、中級者以上のモデラーには十分魅力的なキットで、関節の保持力問題さえ解決すれば、実に素晴らしいKOS-MOSが完成します。

 

また、近年は「エクストラコーティングVer」として再生産されているので、購入時はそちらも併せてご覧頂ければと思います。

 

それではみなさん。

 

楽しいホビーライフを。

 

 

 


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2件のコメント

  1. レビューお疲れ様です!

    私はどうやら気付いたら下乳ばかり見てしまう魔法にかかってしまった様です(笑)

    元ネタは知りませんがD・TENERITASとは挟まれたら死ぬ感じでしょうか?(114514)

    1. MIR様

      MIR兄貴オッスオッス!

      そこに目を付けるとはご立派ァ!(賞賛)

      自分、草いいすかwww

      D・TENERITASは死ぬ(昇天)どころか跡形も無く消し飛ぶんだよなぁ、謎ビームのせいでよぉ、なぁ!

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